GM破たん後のスキーム
GM破産後の具体的スキーム
GM関係筋が7日、ロイターに明らかにしたところによると、GMの破産後のスキームは以下のようなものであるという。
最も成功している部門で構成される「新」会社と不採算部門を含む「旧」会社に分割。破産手続を通じ、担保付き債務など一部債務は新会社が引き継がれる公算が大きいという。
新会社はだれが買うのか
全く予想もしない企業が買うだろう。IT系の企業かもしれないし、投資ファンドが現れるかもしれない。とにかく自動車産業にはない先進的思考を持つ企業が手を挙げるだろう。米国には新しく生まれた企業を育てる力がある。新しいビジネスモデルを作り上げる力がある。また世界の天才を集める力もある。こうした力が合わさって新生GMが作られるのではないか。
「旧」会社はどうなる
不採算部門を含む旧会社はどうなるのか。事業ないし資産が解体されるようなバラ売りもあるのではないか。そうしてその売却代金は新会社の運転資金に回るか、無担保債権者の返済源資になるかもしれない。ロイターに断片的記事があったくらいで、まだ詳細は不明だ。
自前の自動車産業育成を目指す中国が、一部門丸ごと買い取るかもしれない。実際韓国は中国がこのような方法をとった場合、3年ほどで中国に追いつかれると危惧しているという。
中国は自動車メーカーが130社もある。政府は年間10万台以上の年間販売台数の自動車大手14社を、11年までに10社以下に集約し、年間販売200万台以上のメーカーを3社前後、100万台以上のメーカーを5社前後誕生させる計画だ。こうした生産能力に技術が加われば大変な脅威になってくる。
追補 続報
3月12日付のニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、米財務省は、米自動車大手GMに対し、6月1日までに破産法適用の申請に向けた準備を進めるよう指示している。上記記事が裏付けられた形だ。
同紙によると、検討されている計画では、破産法適用申請後にGMの「優良」資産を買い取る新会社が設立される見通し。健全性で劣るブランドや工場、医療保険債務などのあまり好ましくない資産は旧会社に残され、数年かけて清算される可能性がある。