09年4月7日の新聞から

金融庁貸し渋り検査着手

 金融庁は、6日貸し渋り貸し剥がしに関する集中調査に着手した。大手9行は全行調査対象となるが、4月以降、融資先からの苦情が多い20前後の地域金融機関なども調査するという。
 この20前後の地域金融機関名を公表してくれるのだろうか。それともこの20前後の金融機関は「資産が傷んでいるから、貸し渋りをしているんだろう」という観点から調べてくれるのだろうか。

破綻REITのニューシティ米ファンドが買収

 REITで初めて破たんしたニューシティ・レジデンス投資法人が、米ファンドのローンスターが負債の引き継ぎも含め約1200億円で買収、5年後の再上場を目指すという。
 ローンスターは他の国内ファンドより好条件を提示した結果で、かつて「はげたかファンド」と揶揄するのは間違っている。日本の不動産の地価が底入れしたということであれば、いいのだが。政府が公的資金でREITを支援し、地価下落を防止するより、こうした整理の仕方のほうができればそれに越したことはない。

第一生命が野村ホールディングの劣後CBを引受

 第一生命は野村HDが08年12月に発効した劣後CBを1000億円で引き受けたが、劣後CBが株式に転換しうる存在であることから、大量保有報告書上、いわば「潜在株」として届け出対象になるらしい。しかし第一生命は自己資本強化のため、ゆうちょから500億円の劣後ローンの提供を得たばかり。あの500億円はまわりまわって野村のところに行ったのかという気がしなくもない。

日経平均PBR1倍に接近

 円安の追い風で外需関連株が続伸している。日経平均の225銘柄のPBRが6日時点で0.98倍と1倍近くになっている。PBRとは一株当たり資産と株価の比率を表している。PBRが1倍以下ということは、会社を売り払った値段よりも低い金額しか評価がつかなかったということになる。株価低迷期は1倍よりはるか下をうろうろしていたのが、ようやく1倍になったということ。それでも、この会社は、資産価値以上の価値を持っているとはまだ言えない。

中国貯蓄率最高の28.8%

 中国の08年の家計貯蓄率は28.8%となった。貯金大国のように言われている日本は3%だから、貯蓄率の高さがよく分かる。最大の理由は、社会保障制度が不十分で、自分の将来は自分で守るしかないと考えている国民が多いからだ。
 中国では製造業の利益総額が02年から07年まで年20−40%と高い伸びを示したが、この間可処分所得は一貫して10%という低い伸びしか見せていない。中国経済の成長の恩恵が国民に回ってきておらず、もっぱら投資という形で企業に投じられていることを示している。

ベネズエラで油田調査

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際石油開発帝石三菱商事ベネズエラの油断開発に向けた共同調査を始めることで同国国営企業と合意した。同国はチャベス大統領の治世下にあるが、同大統領は米国からの受けは悪く、石油価格の下落を受けて貧困層対策もままなくなれば、今後政権がどう変わるか分らない。結構大きなリスクだと思うのだが。

失業給付者33%増

 2月に新しく失業給付を受けた人は約69万3000人と前年同月比33.8%の増加で、増加率は75年11月以来最悪の数値だという。派遣には09年問題がある。今後失業者はさらに増えてくる可能性がある。