佐々淳行さん 言っちゃった!

佐々さん「今このひどいことをやっているのがユダヤ人ですよ」

 危機管理のスペシャリストと称されている佐々淳行さんが、09年3月21日の「ウェークアップ!ぷらす」という番組で、びっくり発言をした。テレビ的には大失言だろう。
 彼は、南北戦争後のアメリカの工業化時代のときを指してのことか、アメリカの初期の資本家はひどかったと言い、さらには、「今このひどいことをやっているのがユダヤ人です」なんて言ってしまったのである。
 司会の辛坊さんがびっくりして、発言の訂正を求めるが、佐々さんは自論を変えない。番組の最後、辛坊さんが、佐々さんが言ったことではあるが番組の責任として、佐々さんのユダヤ発言を謝罪。しかし佐々さんは止まらない。「批判は全て私が受ける」と大見得を切った。
http://www.youtube.com/watch?v=63iwihsYLCE

なんでこんな話になっていったのか

 番組では、中谷巌さんの著書「資本主義はなぜ自壊したのか」が取り上げられ、中谷さんのインタビューが放映されていた。中谷さんは、かつてはバリバリの新自由主義派。小渕政権下の「経済戦略会議」で、規制緩和や市場開放を積極的に主張し、その諸提言の延長に小泉構造改革があると言って良い。まさに小泉構造改革の生みの親なのである。しかし中谷さんは、小泉構造改革下で所得格差が拡大する様を見て、新自由主義に疑問を抱く。そして、ついに新自由主義を捨て、かつての同志竹中平蔵とも決別。福祉的政策の採用、所得の再分配を訴えるようになった人物である。
 彼はマルクス資本論を取り上げ、概略次のように述べた。意訳、超訳であるので悪しからず。
マルクスは資本主義は悪だと言った。資本主義は労働者を搾取し、労働者を窮乏化させるからだという。しかしマルクスは間違っていた。資本主義下で労働者が窮乏化すれば、商品を購入する人間がいなくなる。資本主義は労働者をある程度豊かにし、消費者として育てざるをえない。しかし小泉政権下では、派遣労働者をどんどん増やし、日本の労働者が窮乏しても、お金持ちの外国が買ってくれるから大丈夫、とやってしまった。ここが問題だ。」
 まさに正論だ。そして佐々発言は、このあとに飛び出たのである。

ユダヤ陰謀論

 米国では、南北戦争後、南部から安価な労働力が北部に流れ込み、北部を中心に工業資本が急成長した。19世紀末には、世界の工場は英国ではなく、既に米国になっていた。この時期、労働者は塗炭の苦しみの中にあった。苦しかったのは黒人に限らない。白人労働者が待遇面で不満を言えば、彼は首になった黒人労働者に置き換えられるだけだからである。この時代は「金ぴか時代」「金メッキ時代」などと呼ばれている。
 この時代に、巨万の富を築いた多くが、ユダヤ系米国人だった。ユダヤ陰謀論によると、このときユダヤが米経済で大きな地位を築き、さらには、大恐慌で業績が悪化して株安となった会社をユダヤ資本家が買い集め、ついには米国経済を手中にしたことになっている。ユダヤ陰謀論によると、南北戦争大恐慌、世界大戦を起こしたのはロスチャイルド家を頂点とするユダヤ人だということになっている。佐々さんも陰謀論者なのであろうか。
♪では、気分を変えて一曲 RihnnaのTake a Bow です
http://www.youtube.com/watch?v=B8XC7idFyvE&feature=channel