フラット35 頭金不要に

フラット35

 フラット35とは、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提供する住宅ローン。固定金利で元利均等のため「フラット」、最高35年払いが認められているため「35」の名前が付いている。銀行の住宅ローンは変動金利のため、金利が上昇すると、ローン返済額も上がってしまうが、フラット35は固定金利のため、その心配がない。ことに低金利時代に住宅ローンを組むのに適している。

頭金が不要に

 フラット35で借りられるのは、住宅購入価格の90%まで。すなわち、10%相当の頭金を自己資金で用意しなければならない。3000万円の家を買うには、自己資金300万円を用意しなければならない。実際には新居に移るとすると、頭金以外にも、税金や火災保険等の諸費用や、転居費用もかかるし、家具も新調するとなると、①00万円、200万円はあっという間になくなってしまう。
 政府与党は、景気対策として、住宅購入価格全額をフラット35で借りられるようにするようだ。自宅購入を希望する若年層には朗報だろう。もっとも諸経費とかもかかるので、その用意は必要だ。

住宅着工件数の増加が景気対策

 住宅建築の景気を押し上げる効果は大きい。住宅一戸の建築費が2000万円だとすると、車10台分の消費刺激策となるからだ。また建築業者以外にも、管工事、内装、建築資材等、産業のすそ野も広い。中古住宅購入であっても、リフォーム工事、家電の買い替え需要が発生する。思えば、08年度、住宅着工件数は極端に落ち込んだ。一つには耐震偽装問題で、改正建築基準法がが08年6月に施行されたことが影響している。改正は建築確認審査の厳格化を図ったもので、従来の自治体や民間検査機関による審査に、新設の「構造計算適合性判定機関」を加えた2段階のチェックが必要となった。審査側の不慣れがあって、建築許可件数が減少、着工件数の遅れとなった。このため官製不況の一つにも挙げられた。

今不動産は買いか

 デフレ傾向の現在、不動産価格はまだ下がるのではないか。自分だったら今は買わない。、、とは言っても、私自身平成7年にローンを組んでマンションを購入し、買ったマンションが10数年で半額になったいわば負け組である。余り信用しない方がいいかもしれない。

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 住宅金融支援機構はこれまでは新規購入の場合しか融資をしなかった。しかし追加経済対策でフラット35で他の住宅ローンからの借り換えも可能になった。(09.4.11日経朝刊)
♪Miley Cyrusの7 Things。16歳とは思えない歌唱力。お父さんは有名なカントリー歌手らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=Hr0Wv5DJhuk&feature=channel

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 フラット35の金利は、取扱金融機関によって異なる。これは機構が提示するレートに各金融機関が利益を含むコスト分を上乗せして設定される仕組みだからだ。各金融機関のフラット35への力の入れ方が金利に反映される。フラット35を利用するときは、各金融機関の提示する金利をよく見比べよう。

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 結局、フラット35はこうなった

  1. 融資の上限が、建築費、購入価格の90%以内、8000万円だったのが、100%以内、8000万円になった。
  2. 建築確認・中間検査・完了検査申請費用、請負(売買)契約書貼付の印紙代、住宅性能評価検査費用、適合証明検査費用等の諸費用も融資の対象となった。
  3. バリアフリー、省エネ住宅等に適用されるフラットSの優遇金利期間が20年に延長。
  4. 今までは新築にしか使えなかったものが、住宅ローンの借り換えにも利用できることになった。