黄砂による汚染物質飛来 国立環境研究所が3時間ごとに汚染予報

報道から

 黄砂や酸性雨の原因となる大気汚染物質が大陸から移動する様子を3時間ごとに予測する大気汚染予報を、環境省所管の国立環境研究所が27日夕からホームページ(http://www-gis.nies.go.jp/)で始める。
 予報は、黄砂、光化学スモッグの原因となるオゾン、酸性雨などの原因となる硫酸塩エーロゾル、粒径千分の2.5ミリ以下の「人為起源の微粒子」の計4種類。国内とモンゴル、中国、韓国の計17カ所で濃度を測り、風速などの予報値とともにコンピューターで計算、最大48時間後までの濃度分布を予測する。
asahi.com(2009年2月27日7時9分)
http://www.asahi.com/national/update/0226/TKY200902260225.html

黄砂の季節は残留性有機汚染物質飛来の季節

 黄砂飛来の季節になった。私のような昭和ど真ん中世代からすると、黄砂と言われれば「黄砂に吹かれて」を思い出すが、そのようなロマンチックなものではない。黄砂は残留性有機汚染物質を一緒にもたらすからである。
 残留性有機汚染物質(POPs)とは毒性が強く、分解しづらく、蓄積性、長距離移動性を有する化学物質のことをいう。分解しづらいということは、長年有毒性を持ち続けるということだ。蓄積性とは、生物の体内に入ると排泄されることなく、体内に蓄積されていくことをいう。このため、こうした物質は、魚類等に蓄積され、それを食べる人間の体内に蓄積されていく。食物連鎖の上位にいればいるほど影響は大きい。

中国が観測網に加わる意義

 中国はかつて黄砂によるPOPs被害について否定的だった。しかし中国でしか使われていないマイレックス等が日本国内で検出されており、中国の立場は苦しかった。
 国内の環境問題が即対中国の問題になってくる。だから中国が観測網に加わったという意義は非常に大きい。今は環境問題は日本国内では解決できない。
※ 黄砂の残留性有機汚染物質問題について↓
http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090213/1234485724