アエル 配当率はたったの5%

アエル再生計画大筋まとまる

 08年3月27日、アエル(旧日立信販、旧ナイス)について民事再生手続が開始された。09年1月20日、裁判所から選任された監督委員の今井建夫弁護士が、東京地裁民事第20部あて意見書を提出。これによると、現在アエルから取引中の人も、完済してしまっている人も、すでに債権届をしている人も、いない人も、一律過払い金の5%を支給されると言う。裁判所の決定はこの先になるが、裁判所の決定もこの内容にしたがったものとなるだろう。
 裁判所の決定がでればどうなるか。自分で利息制限法利息で再計算する必要はない。アエルに連絡し、請求すれば、アエルのほうで再計算して、5%を払ってくれる。過払い金が見込まれる人はアエルの担当窓口03−3837−1258に電話してほしい。以下はアエル担当者とのやり取りだ。
山:弁護士の山田と申します。相談を受けた方で御社からの借入金を完済された方がいるのですが、配当率は5%ということだそうですね。
ア:はい、少ない額で済みません。
山:そちらのほうで、利限計算もやってもらえるなら、本人にはそちらに直接連絡してもらおうと思っているんですが。よろしいですか。
ア:はい結構です。お願いします。

膨大な貸付口座数

 現在の貸付中の口座数は約22万件、完済後10年の時効期間を経過していない債権者数は約120万件となる。監督委員の調査書によれば、これら債権の履歴はコンピュータでデータ管理されているが、現行システムにはこれを利限法利息で計算するソフトは組み込まれておらず、エクセルに手入力して計算する必要がある(合併したナイス分のデータも残っているそうなのでその点は安心)。こうした計算には平均15分ほどを要する。また古い取引になると紙ベースの記録になっているため、こうした場合は利限計算に1時間を要するという。このため全債権を計算するのに、今のマンパワーでは20年かかるとされる。
 このため、アエルから過払い金あることの連絡は来ない。顧客ないし完済債務者から、連絡しないといつまでも過払い金は返ってこないことになる。

完済債務者=潜在的過払い金請求権者

 アエルに完済し取引終了している人も当然、過払い金債権者となる(潜在的過払い金請求権者)。このためアエルはこうした完済債権者45万人に順次、過払い金を申し立てるよう通知を送ったところ、半数以上が転居不明になっており、また通知を受け取った人から「完済したのに督促するのか」とのクレームが殺到したため、9150人に送ったところで中断してしまった(これらは裁判所等とも協議した結果でもある)。

ローンスターに譲渡された生きている債権

 ローンスターに譲渡担保された債権について、アエルから過払い金が支払われた場合は、その負担はローンスターが負うものとされており、ローンスターが破綻しない限り、支払いは行われる。

JPモルガン、エヌシーキャピタルに譲渡された債権

 こちらにアップしたので見てほしい↓(09.3.30訂正)
http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090330/1238381152