オバマが銀行役員のお手盛りボーナスに激怒 「恥ずべきだ!」

オバマが激怒

 オバマは09年1月29日の記者会見で、ウォール街の金融機関の経営陣に昨年支給されたボーナスが推計総額184億ドル(約1兆6600億円)に達したとの報道に触れて、「恥ずべきことだ」「支援を求めているウォール街の人々には、抑制や自戒、責任といった感覚を少しはみせてほしい」と評した。

役員にボーナスを払う

 1月27日に米財務省は、23金融機関に総額3億8600万ドル(約344億円)の公的資金を資本注入したと発表し、これにより金融機関への公的資金注入は累計で、317機関に対し1942億ドル(約17兆2838億円)となった。
 「国民の血税を注ぎ込んだのは、お前らに高いボーナスを払うためではない」という米国民の声が聞こえてきそうだ。
 銀行の不良資産買い取りを決議する際、当時ブッシュ政権下であったが「ウォールストリートかメインストリートか」という議論が起きた。ウォールストリートの連中に金をやるより、困っている町の人たちに金をまわせということだ。
 今後銀行に資本注入するのに、オバマとしては国民から反対意見が起きは困るのだろう。やはり、ここで怒った姿勢を示さないと議会の協力も得られなくなると考えたのではないか。

世論を逆なでするアンケート結果

 そんな世論を逆なでするような、アンケート結果もでている。ウォール街で働く会社員の8割はボーナスをもらったものの、満足していたのは26%で、46%は「ボーナスには満足していない」と答えている(米国のWebサイト「EFinancialCareers.Com」が実施した調査)。

アメリカの格差社会

 レーガン政権移行、アメリカは格差が拡大した。今回の大統領選挙では、それに対する揺り戻しといった面がある。ブッシュ減税が今年で切れるため、それを全所得者者に延長するか、それとも高所得者だけ延長せず打ち切ることにするかが、大統領選挙でも争点になっていた。今回のオバマの激怒も、高所得者に対するブッシュ減税打ち切りのための布石なのかもしれない。