性犯罪者 GPSで24時間監視を法務省が検討中

性犯罪者同意を条件にGPS装着 24時間行動監視を法務省検討

法務省が、性犯罪受刑者が出所した後の居場所を把握するため、GPS端末を同意の上で装着させることを検討していることが、08年12月27日に分かった。日本では、05年6月から、13歳未満に対する性犯罪受刑者の出所予定日や居住予定地などの情報を、警察庁に提供するようになり、各警察署が所在を把握しているが、行方が分からなくなるケースもあった。
東京新聞08年12月28日朝刊)

米国ミーガン法が最初

94年、ニュージャージー州で、ミーガン・カンカという少女が暴行ののち殺害され、被疑者が過去にも性犯罪を犯していたことが判明した。この事件をきっかけに「すべての両親が、性的に危険な者が近隣に引っ越してきたのかどうかを知る権利がある」との声が沸き起こり、性犯罪者が刑期を終えた後もその情報を登録し、一般に公開する州法が作られた。
内容は各州によって差があるが、出所(仮釈放)時や転入・転出に際して、住居周辺の住民への告知が行われる。住居に性犯罪歴があることを示すしるしを掲げるよう求めている州や、累犯者に対してホルモン療法を強制する州もある。またこの義務が、一生課される州もあれば、最高10年ほどの期間を定める州もある。
Wikipediaより)

韓国ではすでに電子足輪を採用

 韓国では08年9月から、「電子足輪」の運用が始まっている。裁判所の付着命令を受けた13歳未満児童性犯罪者と常習性犯罪者は、一方の足首に電子足輪を最長5年間、常につけていなければならない。装着期間は最大10年(当初は5年間の予定だったが、小学生の女子が暴行後殺害された事件が起こったため、急転10年間となった)。
  性犯罪者の位置はGPS発信機を通じて24時間、法務部の中央管制センターに伝達、記録される。電子足輪を付着した全国の性犯罪者を同時に追跡することができる中央管制センターは、ソウル保護観察所に設置された。保護観察官や警察は、性犯罪者の位置と移動経路をリアルタイムで把握することができる。
保護観察官は電子足輪を通じて該当の性犯罪者が裁判所が電子足輪付着命令とともに課した▽子供保護エリアなど特定地域への訪問禁止▽被害者への接近禁止▽特定時間外出禁止――など特別遵守事項を履行しているかも監視する。
(韓国中央日報HPから 実物の写真付)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99288&servcode=400§code=400

今後の立法化における検討課題

 このような発信機を常に足に装着するとなれば、いくら小型化しても、当然人の目につく機会もあるし、近所からも白眼視を受け続けるだろう。そのため、反対論も当然出てくる。昔江戸時代に、前に受刑した人間は凶状持ちと呼ばれ、腕に入れ墨をされていたし、項羽と劉邦の時代にも鯨布という武将は、額に前科者を示す入れ墨をされていた。それに近いイメージがどうしてもぬぐえない。
もし立法化するとなると次の点を検討する必要が出てくる
・初犯の性犯罪者にも課されるのか、常習性犯罪者にだけ課されるのか。
・一律に課されるのか、裁判官が裁量で決めるのか。
・性犯罪には迷惑防止条例も含まれるのか、それとも刑法犯に限られるのか。
・保護観察制度と対になって運用されるのか。
・執行猶予で釈放される場合にも装着するのか、その場合判決をした裁判官が決定するのか。裁判員も関与するのか。
・児童に対する性犯罪を対象にした場合の被害児童の年齢。
・常時装着するのか、家の中なら外していいのか。
・外した場合処罰されるのか。
・近所にも情報を公開するのか。ある程度地域代表的な立場の人間だけに伝えるのか(学校長、PTA会長、町内会長等)。
・着用期間。
・着用期間を後に短縮できるのか。