パンデミック 鳥インフルエンザがもたらすこの世の地獄

鳥インフルエンザの致死率

 03年以降、08年5月28日現在、15カ国で383人が感染、241人が死亡している。致死率はなんと62.9%に達している。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2008C192
 もっとも、これらの感染は、鳥から人への感染であり、人から人への感染力を持つインフルエンザはまだ現れていない。そのため致死率も不明だ。米国では感染者の致死率は20〜40%と予想されている。人から人への感染が本格化すれば、世界大流行=パンデミックの到来だ。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/interview/90/index5.html
 厚労省は人口の約4分の1が感染、患者数2500万人、致死率を2%と予想している。入院患者は53万人〜200万人、死亡者は17万人〜64万人と推定している。
 1918年に当時「スペイン風邪」と呼ばれる感染症が蔓延した。その後の医学の発達で、これが新型インフルエンザであることが判明した。スペイン風邪による死者は世界で約4000万人と言われており、わが国でも約39万人が死亡している。世界的交通が十分発達していなかった当時で、この数字である。致死率が米国予想の通りだとすると、500万人から1000万人が死亡することとなる。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html#1-2

パンデミック 今はレベル3

 WHOは、新型インフルエンザの流行の度合いを、初期から末期のパンデミック状態までの6段階に分けている。鳥インフルエンザはすでにインドネシアベトナム等で発生しており、WHOは、現在の状態を第3段階(フェーズ3)としている。この第3段階は「既に鳥から人に新型インフルエンザが感染しているが、人から人への感染はないか、あってもごく密接な人間関係にある場合に限られている」段階のことである。
国立感染症研究所感染症情報センターのHPより)
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/05pandemic/0511phase.html

人から人への感染は秒読み

 パンデミックは起きるか起きないかが問題になっているのではない。いつ起きるのかが問題になっている。新型インフルエンザが発生した場合、仮に感染率25%、致死率20〜40%となると、最悪日本の人口の1割が死亡することになる。死人が出ても埋葬もできないだろう。外出禁止という戒厳令に近い状態になることも考えられなくない。厚労省が2週間分の食糧と水を用意するように言っているのはそういう理由からだ。そうなれば、社会も経済も崩壊状態となる。

準備はできているのか

 準備はできているのか。新型インフルエンザにはタミフルも効かないと言われており、ワクチンしか対処方法はない。厚労省の正式見解は次の通りである。
現在、政府は1,000万人分のプレパンデミックワクチンを備蓄していますが、プレパンデミックワクチンは、現在の流行している鳥インフルエンザに対するワクチンで、新型インフルエンザに対する有効性が完全に確立しているものではありません。また、予防接種では一定の割合で人体に有害な副反応が出現することが避けられず、不必要な接種は避けるべきと考えられています。そのため、実際にワクチン接種を開始するのは、新型インフルエンザの発生が確認されてからになる予定です。
 また、新型インフルエンザが発生した場合、予防の基本は他者から感染を受ける機会を減らす(外出や集会を避ける、手洗いの励行、マスク着用等)こととなりますが、医療従事者や電気・水道等のライフライン従事者など、医療や社会生活の維持に関わっており、新型インフルエンザの感染が拡大している状況においても業務を続けなければならない方々から、プレパンデミックワクチンの接種を行うことを予定しています。
 なお、実際に発生した新型インフルエンザウイルスを基に製造されるパンデミックワクチンは、国民全員を対象に考えています。

以上はhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html#3-3
 しかしパンデミックワクチンをいざ作ろうとした場合、作れるような体制にあるのだろうか。国会も真剣に議論してほしい。国会議員は真っ先にワクチンを接種されるから、他人事になってしまうのであろうか。

食糧備蓄

 もしパンデミックがあったら、世界の食糧が不足する。生産、流通という上流から下流までが崩壊する。世界で食糧が争奪戦になるかもしれない。
 経済危機の後は、人類の危機が起きかねない。