田母神前空幕長 小松基地の隊員宿舎をアパで

小松基地隊員宿舎契約額の3割がアパ関連

政府は12年9月に閣議決定した答弁書で、航空自衛隊小松基地が過去6年間に基地外で借り上げた民間アパートやホテルなどの隊員宿舎について、アパグループ関連が契約の3割に上ることを明らかにした。
答弁書によると記録が残っている03年度以降08年10月末までに賃借したのは22件でうち同グループは8件、93万円に上った。03年度が5割超、05年度が7割超を同グループが占めていた。
東京新聞08年12月10日朝刊)

田母神氏とアパグループの蜜月

田母神氏とアパグループとの癒着はこれまでもいろいろと取りざたされている。07年8月21日には田母神氏の決裁で、アパグループの元谷代表が主力戦闘機「F15イーグル」に48分間体験搭乗した。招待客が自衛隊機に乗って滑走路を走ることはあるらしいが、実際に飛行する戦闘機に登場するなど異例中の異例らしい。高額なジェット燃料を相当使ったはずである。
08年4月に元谷氏が「このままでは日本は中国の属国となる」などと主張する著書を出版、その記念パーティーに田母神氏は映画「トップガン」のテーマに乗って制服姿で入場した。ある週刊誌の見出しで、田母神氏には「俺はトムクルーズに似ている」との発言があったようだが、自分をトムクルーズになぞらえているのだろうか。

猫に小判 田母神氏に退職金

防衛省は田母神氏を、11月3日付で定年退職とした。アパ論文発覚からわずか3日後のことだ。空幕長の定年は満62歳だが、空将としての定年は満60歳。田母神氏が更迭されただの空将になった時点で定年を過ぎている。同省は当初、自衛隊法45条に基づき11月末まで田母神空将の定年を延長。本人から辞職の意思確認や、論文について懲戒処分の対象になるかどうかを調べる方針だったが、空将が調査に応じなかったため、定年延長を打ち切る異例の形を取っている。定年退職のため、退職金は満額支給された。(08年11月3日21時5分配信 毎日新聞)。

田母神氏の収賄行為もどきの行為

もしアパ論文が騒がれなければ、田母神氏が元谷氏にこのように便宜をはかった後に、アパグループから田母神氏に300万円の賞金が支払われていた。現行では、退職後に不祥事が発覚した元職員は、禁固刑以上の確定が退職金返納の条件となる。収賄罪で起訴することは難しいが、田母神氏と元谷氏との間に、利益供与と金銭授受がある以上、職務の公正を疑わせるに十分なものがある。こういったことが定年退職前に発覚していれば懲戒免職になった可能性も十分にあった。

田母神問題がきっかけで退職金強制返納規定の改正

河村建夫官房長官は11月14日の記者会見で、国家公務員の退職後に、在職中の懲戒免職相当行為が発覚した場合に退職金を強制的に返納させるように、国家公務員退職手当法改正案を来年の通常国会に提出する方針を明らかにした。
この法案が通れば、田母神氏も、一つはいいことをしたことになる。