京都家裁 書記官が判決を偽造 2

予想は外れたか

昨日(12月8日)のブログで、背後に振り込め詐欺グループがいるのではと予想した。しかしこの予想に自信が持てなくなった。この書記官、第三者名を名乗って凍結預金の口座名義人に対する勝訴判決をとり、預金を差し押さえ、銀行には自分が管理するこの第三者名の別口座に送金させているのだが、この第三者名義を作るのに実に手を混んだやり方をしているからだ。そこが振り込み詐欺グループっぽくないのである。

戸籍まで作っていたこの書記官

書記官は、まず馬場某なる架空人物の戸籍を作ることから始め、そのために就籍という手続をとっている。正直、就籍なる戸籍手続があること自体、弁護士の私も知らなかった。世の中には稀に日本国籍はあっても戸籍のない人がいる。災害で戸籍が消失し、再製の過程でその人間だけ戸籍から漏れてしまったとか、日本人の親から生まれながら出生届が出ていなかったというような場合が例示されている。この書記官は、記憶喪失により自分の戸籍がどこだかも分からなくなってしまったという理由での就籍を偽装したらしい。その場合には家裁の許可が必要になるが、当然この裁判も偽造ででっちあげたのだろう。彼は家裁の書記官なので、このあたりの偽造は簡単だったかと思う。そして偽造した家裁の決定を使って戸籍を作ったのだ。さらにこの書記官は、馬場名義でアパートを借り、電気、ガスも契約していたという。

振り込め詐欺グループならどうするか

こういった手口は、普通、振り込め詐欺グループとかが使う手口とはかなり異なる。そもそも戸籍を作らなくてもこういう犯罪は可能だ。どこからか、金に困った人間を捕まえてきて、その住民票を利用したほうがいい。そういった人間は、インターネットの「闇職安」とか「闇バイト」とかいったサイトで、簡単にひっぱってくることができる。この書記官、アパートを借りるだけでなく、電気、ガスまで契約しているが、その分、足を残すことになり、警察の捜査が自分に及んでくる可能性が高くなる。詐欺グループは、なるべく自分の顔をさらさない、足を残さないというのが特徴で、こうしたグループが背後にあるとは思えない。

しかしどうして凍結口座の名義人の正確な氏名が分かったのか

預金保険機構のHPは↓
http://furikomesagi.dic.go.jp/
ここのページから「便利な検索機能」にとぶ↓
http://furikomesagi.dic.go.jp/cond_base.php
このページで銀行名、支店名を入力すると同一支店にある凍結口座の一覧が出てくる。
しかし、このページで検索しても、口座名義人がカタカナでしか表示されない。だが、この口座名義人を被告として裁判するには、漢字で書いた正式な氏名が必要になってくるのである。でも、この検索機能ではそこまで調べられない。
これは推測なのだが、銀行ATMで入金にしようとすると相手方の口座番号を打つだけで、相手方のフルネームが表示される。そのとき漢字で表示される銀行があれば、そういった銀行の口座のみ狙ってこうした犯罪を行ったのではないか。こうしたことが可能か、知っている方がいたらコメントをいただきたい。