法人税は減税するな、個人に還元しろ

東証日経225終値で1171円高となった。
世界同時株安で、日本は金融バブルの痛手が世界の中でも比較的軽微だったにも関わらず、売りを浴びせられ、他の市場以上に下がっていたから、この回復も妥当なものだろう。

ただ、世界全体で、消費も落ち、低成長がしばらく続きそうだ。日本経済は外需頼り、特に北米市場が頼りだが、米国では住宅価格、新規着工、車の売上も低下、クリスマス商戦も低調と予想され、先行きは厳しい。効果的な景気対策が政府から示されなければ、株価が再度下振れしかねない。

自民党税調は、9日麻生首相の指示で、景気対策のための減税案をまとめることになった。経団連も、法人税率引き下げ、消費税16%引上を主張しており、これにそった減税案が出されることだろう。

しかし、法人税の減額が景気対策になるのだろうか。
そもそも、今回ここまで株価が暴落したのはなぜか。日本経済が外需頼みのため、円高リスク、世界的不景気が心配されてであろう。
とすれば、内需拡大をめざすべきなのだが、法人税をまけても、大企業が内需をしてくれるだろうか。答えは否である。
今まで大企業は内需拡大を期待されながら、儲かった金を労働者に分配せず、内部留保にいそしんだため、企業の借金は減ったが、国民の生活は向上しなかった。法人税を減税してもまた同じことが繰り返されよう。

当たり前のことだが、赤字の会社からは、法人税はとられない。もうかっている会社が払う税金である。
今後世界不況が続くとなれば、国が、儲かっている会社から税金をとり、それを貧窮している国民に配分する方が、内需拡大になるのではないか。儲かっている会社も、税金をとられるくらいなら、労働者への配分を増やそうとするかもしれない。

麻生首相は、世界恐慌が来るかもしれないから、今は選挙をやっている時期ではない、と言っているが、果たしてどうだろう。
政府が企業の負担を減らすことが景気回復になるのか、それとも政府が個人の税収を軽減したり、金をばらまくことが景気を回復するのか、二者択一を迫られている。自民党は前者を、民主党は後者をよしとする。
その選択をすべきなのは国民であり、その選択を実現するのは、解散総選挙しかない。