新旧レイク主張対策 その1 免責登記は意味がない

 前のブログで、新旧レイク主張に対する勝機は、資産譲渡契約書の翻訳の正確性を争うことと、原告が契約切替申込書に署名をしていないことにあると述べた。ただ、それでも、新レイクが債務を引き受けていないという「免責登記(「当会社は平成10年11月2日営業の譲渡を受けたが、譲渡会社である株式会社レイクの債務については責に任じない」と会社登記簿に明記している)」があるから勝てないのではと考える人もいるかもしれない。
 これについては次のように考えればいい。
 商法17条1項は、営業譲受人が譲渡人の商号(本件では「レイク」)を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負うとしているが、2項は、1項の規定は、営業譲渡後、免責登記がなされた場合は、適用しないとしている。
 ここで注意すべきは2項ではなく、1項である。1項は、譲渡人の商号をそのまま使用していた営業譲受人は、「譲渡人の債務を引き受けていない」場合にも、債務の弁済責任があるとしている。しかし、後述する通り「新レイクは旧レイクの債務を引き受けている」と考えられ、本件は1項の適用場面にはあたらない。したがって「1項」を適用しないとする2項は適用にならず、債務引受の効果は生じないのである。

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