白井さゆりさんの マイナス金利 目からうろこの解説

先週木曜日のモーニングサテライトに,日銀審議委員を退任したばかりの白井さゆり氏が出演。マイナス金利政策について,次のようにコメントしておられました。
Q 1月の決定会合でマイナス金利に反対票を投じられましたが,その理由は?
A 理由は2つ。第1に,12月の決定会合で量的質的緩和策の継続性を高める決定をしたばかりなのに,量的質的緩和策の効果を一部減殺するマイナス金利政策を決定することは,量的質的緩和策に限界あることを日銀が認めたとの誤った印象を市場に与えてしまう。
第2に,複雑な仕組みなため,銀行に混乱を生じかねない(黒田さん,不意打ちはやめましょうね)
Q マイナス金利政策をとったことによる悪影響は?
A 二つある。第1はイールドカーブのフラット化。銀行の収益機会を奪うことになる。第2に,銀行が財務省から国債を買うと,すぐ日銀に売って,利ザヤを稼ぐという不健全な取引の発生(正直マネタイゼーションと言いましょう)。
Q 3月の決定会合ではマイナス金利政策を維持することに賛成されましたが,その理由は?
A 3つある。第1にマイナス金利政策の廃止は緊縮政策になる。第2に円高を招きかねない。第3に住宅ローン金利低下といった恩恵を期待する国民から反感を買う。(決まっちゃった以上仕方ないということですね)
Q 次回の政策決定会合で,マイナス金利の拡大はあるのか?
A まだ,銀行がマイナス金利に慣れていない。6月に国債の大量償還があり,マイナス金利が適用される銀行が増えてくる。その後銀行間取引が活性化するかどうかを見る必要がある(だとすると9月以降ですね)。マイナス金利を拡大すると同時に量的緩和を緩めるという合わせ技をすることも一策だ。
Q マイナス金利政策の終了時期は?
A 米国のFRBの対応を見れば明らか。まず日銀資産の増加をなくし,その後検討することになる。
やっぱり審議委員から直接聞くと違いますね。