東芝粉飾決算はムラ思考の産物

今日の日経1面によると,産業革新機構経産省東芝の事業再編を支援するとのこと。白物家電事業をシャープの同事業と統合,原発事業も、東芝本体が沸騰水型,米子会社WHが加圧水型とバラバラにやっていたのを,世界的潮流の加圧水型に資源を集中し,さらに国内大手との再編を後押しするとか。
結局,東芝という組織は,外圧がないと変われないと見切りをつけられたということでしょう。
今回の粉飾決算も,内部監査,外部監査云々よりもムラ思考の産物です。役員がパソコン村出身,原発村出身等,シロモノ村出身等村毎に選出され,社長も各村の持ち回り。西田村長の率いるパソコン村は村の名産ダイナブックを守れと言い,佐々木村長率いる原発村は「日本が駄目なら世界に輸出する」と大風呂敷を広げ,シロモノ村は村民の生活のため赤字でも予算を寄越せという,そうなるとお互いの顔を立てて,今まで通りやっていきましょうとなる。
村が赤字になっても,それを口に出すことはできません。原発村の村民が一人でもWHの赤字を口にしたら,村の顔役から「WHを買収した西田村長と佐々木村長の顔に泥を塗るのか,村長を守るのが俺たちの仕事だろう。」と怒鳴られる。
結局,見るに見かねた村民が地元のマスコミにタレ込んで社会に公にしてもらうほかない。
結局,日本企業がダメになるのってこういうケースが殆どでしょう。ある偉い人が「社外取締役に粉飾を見抜けと言ってもそれは無理。内部監査を充実させるべき。」といっているが,非現実的。村の内部監査にどれだけ意味があるのでしょう。村構造を変えることが第一,,,なのですが,「腐ったリンゴ自身が腐ったリンゴを取りのけろ」とは絶対言わないから,ずっとこうして日本企業はズルズル行くんでしょうね。