米利上げ 新興国リスクが重荷

門外漢の独り言をお許しいただきたい。
FRBは9月の利下げを見送った。FRBは利上げのタイミングを以前は失業率7%を切ったらと言っていたのに、その後6.5%になり、それが今や5%切りそうな勢いなのに、まだ利上げしない。ハードルを自分でどんどん上げておいて、まだタイミングでないと言い張っている。
思うにこれってオレオレ詐欺に似てはいないか。
チャイナリスクが騒がれ、新興国が総崩れになっているのに、今利上げをしたら新興国から資金が引き揚げられ、大変なことになる。この時期に利下げはない、というコンセンサスが、米政府内にあるのではないか。そのコンセンサスに沿って、それぞれが、それぞれの役割を演じている。
FRBの中で、タカ派ハト派が争う様子を見せているが、これも茶番。
IMFと世銀が、新興国の混乱を避けるため、利下げを見送るように言い、FRBがこれに抵抗するように見せているのも、これも茶番。
もともとIMFも世銀もブレトンウッズ体制の申し子であり、米国の傀儡機関。米国の左手と右手が争っているようなものだ。
オレオレ詐欺では、息子約が会社に損害をかけたと電話をよこすと、次は会社の上司役が脅しに入り、次いで弁護士役が仲介を申し出る。全ては老親から金をだまし取るために、みんながみんな筋書きに従って、それぞれの役割を演じているにすぎない。IMF、世銀、FRBも黒子に操られているとしか感じられない。
しかしFRBには同情する。FRBは通貨の番人。物価と労働環境という国内要因だけから金融政策を行うものと決められているから、世界がどうのとは言えない立場。それでもここまで失業率が下がってしまうと、これ以上金利を上げないでいる理由がない。9月のFOMCの声明文で「最近の世界経済や金融市場の動向が米国経済活動をある程度誓約する可能性がある」と明記されたのは、国内情勢だけを言っていては、これ以上利上げを踏みとどまる理由がなかったからではないか。
FMOCのメンバー17人中13人が年内の利下げを予想しているため、結局12月には利下げがあるのではという声が高い。それでも前回の15人より2人減っているし、FRBだって、自分が金融危機の引き金を引きたくないだろう。12月になったら、僅差で利下げを行わないことになるのではないか。