米雇用改善進むが利上げはいつか

12月の米雇用統計は、前月比25.2万人増。10月、11月の改訂値も26.1万人、35.8万人。14年には合計295万人強増えた計算だ。失業率は5.6%までに低下している。米FRBは14年10月に量的緩和を停止、今年4月以降、利上げのタイミングが図るとしている。
非農業労働者数、失業率だけからすると、早期利上げという観方が出てくるが、他方賃金は伸びていない。雇用は増えているものの、卸小売業、ヘルスケアといった部門での非正規雇用が増えているだけだからだ。イエレン議長は労働経済学の専門家であり、労働者の数だけではなく、労働に質も見ているという。しかし、正規・非正規の問題は、産業の構造的な問題であり、金融政策でどうなるものではないと考えると、とにかく雇用がこれだけ回復している以上早期の利上げもあると考えていいかもしれない。
物価も利上げの目標値たる2%には届かない状態が続いているが、これは原油価格の下落といった国内景気以外の部分が影響している。コアCPIは十分上がっている。原油価格の低迷はしばらく続くと考えられるため、今後2%にこだわると利上げのタイミングを失うことになりかねない。