家賃滞納 貸主の責任

判例秘書」という判例検索ツールがある。最近アップされた大阪高裁平成25年9月27日付判決が興味を引いたので紹介する。
賃借人が長年所在不明になり、家賃を長期滞納していたにもかかわらず、賃貸人がこれを放置した挙句5年以上の未払い賃料を突如保証人に請求したという事案である。詳細を述べると、賃料の支払が遅れ始めたのが平成15年7月からで、賃借人が行方不明となったのが平成16年9月頃。それにもかかわらず、平成17年5月に契約が更新され、その後も全く賃料等の支払がなく、賃借人の所在も分からず同人から賃料等が支払われる可能性があることを示す何らの兆候もないにもかかわらず、平成19年、平成21年、平成23年の5月に漫然と契約が更新されたという事案である。
同判決は、5年以上経過した未払い賃料については時効により消滅したとし、それ以降の未払い賃料についても「未払賃料等が増大したことに関する賃貸人の寄与は極めて大きい」として、保証人に対する請求を棄却した原審判決を支持し、控訴棄却とした。