医学部新設 1校だけ

東北に医学部、15年春にも

 文部科学省は29日、東北地方の大学への医学部新設について、最短で2015年4月の開学が可能となるよう手続きを整備するなどとした基本方針を発表した。
 東日本大震災からの復興支援が目的のため、1校に限定する。新設構想について有識者会議などを設置して審査した上で、採択した大学についてのみ通常の設置認可手続きを進める。
 時事通信 11月29日(金)10時10分配信

高齢化社会で病院はパンクする

 高齢化社会が急速に進行する中、現在の医療体制では量的に対処できなくなるのは目に見えている。もうすでに時間は限られている。早急に医学部新設を考えなければならない。54歳の私が高校を卒業するころは、新設の医学部なら、巨額の寄付金を納めれば、ある程度の学力でも合格するといったような事情があった。しかし、現在は私立の医学部は、偏差値的に一番低いところでも、早慶並の偏差値がないと入れない状況だという。医者を増やすと質が低下するといった心配は皆無だ。

既得権益の保護が優先し遅れる医学部の新設

しかし、医学部の新設は1979年の琉球大学以来ない。なぜか。一言で言ってしまえば医者の既得権の確保である。医師会は、今医学部を増設すれば、医学部生を教育するために医師を配分しなければならず、現場医療が手薄になるなどと言って、医学部の新設に反対しているが、このような、およそ真っ当とは言えない議論がまかり通っていること自体が問題だ。
今回の方針には一応賛成だが。「東北復興」という錦の御旗がないと、医学部一つ作れないのか、と声を大きくして言いたい。