神田下水 130歳まだ現役

 神田駅南口地下を突っ切る南北614メートルの神田下水。明治17年の御年130歳の高齢施設だが、全く腐食することなく、今も現役で頑張っている。レンガを二重に積み重ねその周りをコンクリートで熱く固めた作りで、現在の鉄筋コンクリート製のトンネルよりも頑丈だという。
 セメントは近代になって発明されたと思っている人が多いと思うが、実際にはエジプトで発明されている。エジプトではモルタルとして利用されていただけであったが、古代ローマではこれに水酸化カルシウムシリカ剤を混入し水硬性コンクリートを作り上げた。2世紀初めにハドリアヌス帝により作られたパンテオンはコンクリート製だが、ドーム状の天井が今もなお建設当時の状態をそのまま保っている。またコンクリート自体もローマン・コンクリートと呼ばれるもので、現代のコンクリートはカルシウム系接合剤を用いているため、50年ほどで劣化するが、ローマン・コンクリートはアルミニウム系接合剤を使っているため、倍以上の強度があったとされる。
 現在ローマン・コンクリートが見直されており、似たような成分で半永久的なコンクリートを作る研究もされている。
 古代ローマには鉄筋、鉄骨がないから、これの代わりにレンガを使っていた。だからレンガ筋コンクリートとなる。