シャド−バンキング

中国のシャドーバンキングについては、ハード・ランディングになるとみる見解、ならないとする見解に大きく分かれている。私はなる派だが、ロイターに「それ見たことか」的な記事があった。以下引用する。

天津市は「金融センターの創設に向け2009年から1600億ドル以上を投じている。これは三峡ダム建設に投じられた資金の約3倍。
2011年には16.4%の成長を記録した天津市だが、47の超高層ビルが建設された金融地区は、国内最大の無用の産物となっている。北京に既にオフィスを構えている主要金融機関が天津市でもさらにプレゼンスを高める理由は見当たらない。」
「2012年の春に同市の最大の資金調達機関…と子会社は信託融資で40億元を借り入れたが、その大半は金利が10%を上回っていた。」「新規融資から数日以内に、30億元相当の2009年融資の元本と金利支払いが期日を迎えることをみれば、資金が実際にプロジェクトのために使われたかは疑わしい。」
天津市公表資料によると、同市の資金調達機関は、2013─2019年の間に2460億元の融資処理コストに直面する。」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97P04720130826

天津市がいくら大都市とはいえ、一つの都市でこのレベルだ。思えば源流は4兆元内需刺激策にある。中国では中央が1の予算を言うと、地方は3の予算を求められるが、地方は当時地方債の発行が認められていなかった。そのため、お金をひねり出すために考えたのが「融資平台」。地方政府は雨後のタケノコのようにファンドを作り、銀行や地方の小金持ちがファンドにお金をつぎ込み、結果、自転車操業となっている。地方政府は中央政府の無理難題に怒っているかというと、そうではない。
むしろ、国の資産をどんどん売って、銀行からどんどん金を借りて、とにかく箱モノを作ろう。その過程で大きくお金が動くと、自分の懐にも巨額のお金が入ってくる。
3分の1が地方政府の官僚のふところに入り、3分の1が関連工事業者で山分けされ、残りの3分の1だけが工事に使われる、国民以外はみんな良い思いができる仕組みなのだ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97P04720130826