保証協会の全額保証は大幅縮小か

 「府省庁版事業仕分け」が6月7日から始まり、経済産業省では有識者の仕分け人が、中小企業の資金繰り支援策は「抜本的改善」が必要と判定。金融機関の中小向け融資で信用保証協会が業種を問わず全額保証している制度は早期に大幅縮小するよう求めた。経産省は早ければ2012年度下半期から、全額保証の対象業種を絞り込む方針だ。
 以前は保証協会が債務の全額を保証していたが、銀行がリスクを負わないため「協会保証があるからいいや、貸しちゃえ」的なことがあったため、その後協会が保証するのは8割だけで、残りの2割は銀行がリスクを負担することになった。
 しかし、08年のリーマン・ショックで、政府の人気取りで全額保証が復活。11年度までに61兆9千億円の保証付き融資が実施されたが、焦げ付きは3兆9千億円に膨らんだ。貸し倒れに備えた国費投入も4兆8千億円に上っている。
 同制度に対して仕分け人の6人全員が「金融機関のモラルハザードは見過ごせない」との意見で一致。「企業の延命に手を貸している」「国民の税金を使って企業が良くなっているのか、効果を把握する責任がある」などと厳しい意見が相次いだ。
 このあたり金融円滑化法の問題点と根は一緒と言える。