三井住友 りそなが法人税納付を再開

三井住友銀行が15年ぶり、りそなが18年ぶりに法人税納付を開始する。両行ともバブル崩壊で巨額の不良債権を抱え、巨額の損金が発生した(銀行全体では100兆円超)。

 税法上、特定の期に税務上の欠損金が発生した場合、その欠損金を繰越し、翌期以降の税務所得と通算することができる。この繰越を繰越欠損金と呼ぶのだが、この制度を利用し、銀行は長い間利益をあげながらも、法人税の支払を免れてきた。平成16年税制改正前までは、繰越期間が5年であったが、改正により7年に延長されている(7年の繰越ができるのは、平成13年4月1日以後の事業年度分から)。

 三菱UFJFG、三井住友トラストHDを加えた5大銀行グループの12年3月期連結純利益の合計は2兆3000億円規模に達する見通しで、各銀行とも欠損金の解消が進んでおり、三菱東京UFJは既に法人税の納付を始めている。

 法人税収入がバブル時の2、3割に落ちている日本の財政にとっては朗報だが、この朗報も長くは続かない。というのも、銀行の空前の利益は国債の売却益に依存しているからだ。空前の低金利保有国債の価値が増大してきたが、国債ボーナスも尽きつつある。喜びもつかの間に終わるかもしれない。