野田首相 消費税10%にアップを国際公約したと言えるのか?

野田首相がG20カンヌ・サミットで、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げるとの方針を表明し、この意見表明は「成長と雇用のためのカンヌ・アクションプラン」に盛り込まれた。野田首相は7日の衆院本会議で、「国内で方針として示したことを国際社会で説明し、アクションプランに入れた。できなかったら責任を取るという話はしていない」だけと述べ、「国際公約」ではないと強調した。
野田首相のこの発言を詭弁とする向きもあるが、そうとも言い切れない。外務省のカンヌ・アクションプラン邦訳によると「日本は,トロント・コミットメントを達成するため,2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げることなどの方針を定めた社会保障・税一体改革成案を具体化し,これを実現するための所要の法律案を2011年度内に提出することにコミットする。」(中期的な成長基盤の強化1項b)とある。国際公約はしたが、約束したのは法案の成立ではなく、法案の提出だからだ。
なお、同アクションプランには、「日本は、中期的な財政健全化のコミットメントを確保しつつ,震災復興のための少なくとも19兆円(GDPの約4%)と見込まれる本格的な財政措置の迅速な実施にコミットする。」「日本は、近年において民間需要が相対的に弱いことを認識しつつ,民間の消費及び投資を促進する取組を実施する。これにより,両構成要素が,GDPのシェアで表現して時間とともに増加すると期待される。これは,さまざまなサービスに対する需要を高める政策からなる「新成長戦略」の実施を加速することを含む。」との文言もみられる。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/g20/cannes2011/actionplan_ky.html
なお、同サミットのコミュニケの邦訳は次の通り
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/g20/cannes2011/communique_ky.html
ともあれ、消費税増税は避けられないかもしれない。