世界景気悪化懸念一段と

 原油価格は今年の4月を超えてから下がる一方でWTI原油が78ドルまで下がり、ニューヨーク金も8月初めには1900ドル近かったのがいまや1620ドル台。今日の日経によると大豆、とうもろこしまでもがここ1ヶ月で2割の下落だ、という。株価は8月に世界同時株安となったが(NYダウ、独DAX、英FT100とも今年5月初めに今年の最高値を迎えたが、現在それぞれ7〜8割に株価が下がっている)。原油、金、穀物もこれに追い付いてきたということだろうか。
 今までギリシャ危機支援に対し、足を引っ張り続けてきたドイツだが、29日欧州金融安定化基金を拡充する法案を圧倒的多数で可決した。ドイツが承認したことで、大雨続きの欧州に薄日がさしたような形だが、基金の拡充には、ユーロ圏の17国全部が賛成する必要があり、まだ気が抜けない。
 HSBCが発表した1日に発表した9月の中国購買担当者景気指数(PMI)の確報値は49.9となり、50を3カ月連続で下回った。他方中国物流購買連合会が1日発表した9月の製造業PMIは51.2と、8月の50.9から上昇した。中国物流購買連合会のPMIは09年2月以降、50を割り込んだことはない。これに対し英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが前日公表した9月のHSBC中国製造業購買担当者指数(PMI)確定値は3カ月連続で製造業活動の縮小を示した。
 HSBCの指数は調査対象が400社強で、政府の引き締め措置の打撃を比較的強く受ける中小企業のウエートが大きい。一方、中国物流購買連合会のPMIは20業種の800社余りを対象としており、規模の比較的大きな企業に重点を置いているという。 この違いが統計に出たのであろうが、中国の雇用の大部分は中小企業が担っており、景気の悪化が心配される。