スマートプロダクトという商品思想

 独重電大手のシーメンス新興国で抱える研究開発技術者は約1万6000人。同社は「スマートプロダクト」という、簡素で手入れの手間を必要としない新興国向け商品の開発を目指していると言う。こうした工業製品を新興国に輸出する際の大きな課題はメンテナンスサービス網の構築だが、そもそもメンテナンスを極力不要にした商品を開発しようと言うものだ。
 旧ソ連で生まれた商品で、こうした商品思想の下、世界で大ベストセラーになっている商品があるがご存じだろうか。カラシニコフという自動小銃だ。この銃は、8個の部品でできており(私の記憶であり間違っているかもしれません)、オーバーホールが極めて簡単なのだと言う。こうした銃は、砂漠地帯で使用すれば砂が隙間に入るし、ジャングルでは泥水が隙間に入るため、オーバーホールが不可欠なのだが、これが非常に簡単にできるため、ベストセラーになったのである。
 日本企業にはこうした発想があるのだろうか。