プロミス・クラヴィス判決出る

最高裁判決ついに出る

 本日9月30日最高裁で、プロミスに対して、クラヴィス(旧クオークローン)の過払金についても支払うよう求めた訴訟の上告審判決が出た。原審では、プロミスはクラヴィスの債務を引き継がないとした、プロミス勝訴判決が出ていたが、破棄差し戻しされたという。破棄自判ではなく、破棄差戻しということなので、高裁での審理のやり直しが求められるのであるが、何らかの個別具体的な事情を考慮せよということなのであろうか。詳しい情報が入り次第、お伝えしたい。
参照:http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20110614/1308022651

プロミス・クラヴィス契約切替案件 プロミス全面敗訴

 最高裁HPを見たが、過払い債権者側の全面勝訴だ。
 この事案の概要はこうだ。
 プロミスは,平成19年6月、子会社のクラヴィス(当時はクオークローン)に見切りをつけ、清算に向け、クラヴィスの顧客を自社に付け替えることを狙い、同社との間で業務提携契約を締結した。プロミスが、クラヴィスの顧客に金を貸し、クラヴィスの債務を完済させることで、貸金業務を引き継いだのである。クラヴィスとの業務提携契約書には、クラヴィスの顧客に対する債務を引き受けることも明記してあった。そしてプロミスは、クラヴィス顧客を自社で引き受ける際に、残高確認書兼振込依頼書なるものを作成、クラヴィス顧客に署名押印させた。その書面の中でプロミスは「当該顧客とクラヴィスとの間の債権債務に関する紛争について、今後プロミスが窓口となる」旨をうたい、その代わり、「プロミスが貸し付けた金を顧客に渡すことなく、そのままクラヴィスに送金し、返済に充ててよい」旨の了承を得ていた。
 この残高確認書兼振込依頼書の作成の持つ法的意味合いが、この裁判で争われていた。プロミスは「確かに、クラヴィスに対しては、過払い金債務を引き受ける旨約束はしたが、顧客に対してまではそのような約束はしていない。」「確かに、残高確認書兼振込依頼書を顧客に渡し、サインをもらったが、それは債務の引き受けまで約束したものではない。その書面にも『紛争の窓口となること』を引き受けたとしか書いていない。」と主張していた。

 しかし、最高裁判決は次のように判決。プロミスはクラヴィスの過払金債務も支払うべきと判断した。
 「本件業務提携契約を前提として,クラヴィスの顧客に対し,本件切替契約がプロミスのグループ会社の再編に伴うものであることや,紛争等の窓口が今後プロミスになることなどが記載された本件申込書を示して,被上告人との間で本件切替契約を締結することを勧誘しているのであるから,プロミスの意図は別にして,上記勧誘に当たって表示されたプロミスの意思としては,これを合理的に解釈すれば,顧客が上記勧誘に応じた場合には,プロミスが,顧客とクラヴィスとの間で生じた債権を全て承継し,債務を全て引き受けることをその内容とするものとみるのが相当である。そして,顧客は,上記の意思を表示したプロミスの勧誘に応じ,本件申込書に署名してプロミスに差し入れているのであるから,顧客もまた,クラヴィスとの間で生じた債権債務をプロミスが全てそのまま承継し,又は引き受けることを前提に,上記勧誘に応じ,本件切替契約を締結したものと解するのが合理的である。」
「以上の事情に照らせば,顧客とプロミスとは,本件切替契約の締結に当たり,プロミスが,顧客との関係において,(貸金)債権を承継するにとどまらず,債務についても全て引き受ける旨を合意したと解するのが相当であり,この債務には,過払金等返還債務も含まれていると解される。」