韓国 インフレより輸出

韓国利上げせず

 韓国の消費者物価の上昇率は目標上限の4%を連続7ヶ月を超えている。09年が2.9%、10年が2.8%だったから、明らかに上昇基調にある。しかし、8月11日、韓国銀行は政策金利を年3.25%に据え置いた。
 GDP実質成長率は4%台半ばを越す見込みで(10年は6.2%)、経常収支も月100億ドル以上の黒字が続く。景気が悪いわけではなく、逆に順風満帆の状態。これだけ輸出で儲けていながら、なおも利下げを行わない。その背景には政府・韓銀のウォン安容認というより、ウォン安誘導指向があるからだ。

ウォン安政策に驀進する韓国

 イミョンバク大統領は、人為的なウォン安政策を否定するが、ドル買いウォン売り介入を続けている。それを示すのが韓国の外貨準備高。08年は2011億ドル、09年は2699億ドル、10年は2915億ドル、現在は3100億ドル。2年半で1.5倍の規模に膨れ1.5倍の規模に膨れ上がっている。
 ノムヒョン政権下ではウォンが上昇、07年10月末には1ドル=900ウォンだったが、経済大統領イミョンバクが政権をとってからは、ウォンが急落。09年は1277ウォン、10年は1156ウォンだった。現在1ドル=1077ウォン前後にまで下がっている。

なぜ日本は黙っているのか

 日本はこうした韓国のウォン安政策に全く抗議をしていない。その点韓国は図々しい。現代自動車製の車が売れないのは、日本の自動車販売市場が閉鎖的なせいだと批判している。しかし、そう言う国は、自国自動車産業を保護するためアメリカ製自動車の輸入規制、日本製自動車への関税など、外国製自動車への規制を行っている。なお日本では工業製品については、無関税となっている。