ギリシャ支援

 日経7月12日付夕刊によれば、11日夜、ユーロ圏財務相会議は、これまで危機国の新発国債しか購入できなかった欧州金融安定化基金(EFSF)の機能を強化することで基本合意したと声明。強化の内容だが、EFSFが市場から危機国の国債を購入したり、危機国が国債を買い戻す資金を融通する案が有力らしい。将来の民間負担についての結論は持ち越しになった。
 他方11日付配信のロイターの記事によれば「会合では、ギリシャ国債の選択的デフォルト(債務不履行)の可能性に対する反対意見は示されなかった。関係者らは、ギリシャ問題への民間関与を主張するドイツ案の実現可能性が高まったとみている。」と報じている。ドイツは、ギリシャ国債ロールオーバー(金融機関が保有国債の償還期限後、国債に再投資する)を主張している。もしこれが実現されると、格付け会社ギリシャを選択的デフォルトとする可能性が高い。そのため、自国の銀行がギリシャ向け融資を抱えるフランスがこれに反対するという構図であった。しかし、市場はデフォルトをすでに織り込んでいる状況だ。
 ただ、この案には、欧州中央銀行(ECB)も反対しており、同案の実行が決まった場合は、ECBはギリシャから資金を引き揚げる可能性がある。
 さて、ここからが素人の疑問なのだが、日経の記事にあるとおり、EFSFがギリシャ国債を市場から買い取るとなると、当然割引した価格での買い取りになろう。その方がギリシャの債務残高を安い費用で減らすことが出来る。それとロールオーバーを組み合わせようということなのだろうか。「ギリシャ国債を買ってやるから、残った分は長期の国債と交換してよ。」ということなのかという疑問である。
 ところで日経12日夕刊の「ウォール街ラウンドアップ」には、「市場の関心が集中したのはイタリア。EUなどの救済策にイタリアが含まれるとの観測から、同国の国債の利回りが急上昇」とある。ユーロ圏のゴタゴタが、周辺国に危機を波及させている。小田原評定という言葉が似合っている。(日本もそうだが)