ハッカーへの対応 北風となるべきか、太陽となるべきか

フェイスブックソニーとで違ったハッカー対応

 ジョージ・ホッツという天才ハッカーがいる。この人物、10代でアップルのスマートフォンのソフトを改変する技術を開発した天才。ホッツは今年初めにはソニーのPS3の海賊版ソフトの利用拡大につながる技術を開発し、公開。ソニーに訴えられた。ソニーがこの天才ハッカーを訴えたことがハッカーを刺激し、ハッカーグループから標的にされ、1億人という情報流出事故につながったとされる。
 ところで、これと全く逆の対応をしたのがフェイスブック。同社は、6月27日、このホッツを社員として採用したことを発表した。

ソニーフェイスブック どっちが賢いか

 ホッツを提訴したソニー、ホッツを社員にしたフェイスブック。筋を通したのはソニー、実をとったのはフェイスブックということだろう。ハッカー集団が本気を出した場合、これを100%阻止することは不可能に近い。いくら正義は自分の方にあろうとも、勝てない戦いを行うべきではなかったのではないか。
 北風と太陽の寓話もある通り、北風的な対応は必ずしも良策とはなり得ないのである。
参考:日経11.6.28朝刊