楽天三木谷会長 経団連脱退を示唆

木谷会長経団連脱退を示唆

 「そろそろ経団連を脱退しようかと思いますが…」。楽天三木谷浩史会長兼社長が「ツイッター」で、日本経団連からの脱退を検討する考えを28日までに表明した。三木谷会長は、その理由について、「電力業界を保護しようとしている態度が許せない」と説明、福島第1原発の事故後の経団連の姿勢に不満をにじませた。また、関西経済連合会が23日に森詳介関西電力会長を新会長に選出したことについても、「なんでこのタイミングで」と疑問を表明した。(2011/05/28-12:45 時事ドットコム

経団連の本質

 会長の米倉弘昌氏は住友化学会長。副会長には、全日空三井不動産トヨタ自動車東芝、日立、小松製作所、NTT、三菱商事三菱東京UFJ銀行、丸紅、JR東日本、第一生命、三井住友FG、日本郵船三菱重工業といった、大手金融、大手製造業の社長、会長が名前を連ねている。
 こうした役員構成は偏っていないか。こうした企業の多くが政官財のもたれ合いをしてきた企業だ。またこうした会社の社長、会長もそうした企業風土での椅子取りゲームで勝ちあがってきた人間ばかりだ。経団連は、こうした企業がトップを務めているため、提言と言っても、役人作文か日経の論調と変わらないものしか出てこない。
 こうした連中の声が取り入れられて、租税特別措置法がポコポコ作られて製造業優位の税制が作られる。結局は利権集団でしかない。全く下らない組織だ。

経団連もガラポンすべき

 経団連役員は、サービス業、小売業とか消費者目線で商売している企業は最初から除外されている。この中に、ヤマト運輸、ファーストリティリング、セブンイレブン、ローソン、楽天ソフトバンクと言ったところの社長を入れたら、議論ももっと活発化するし、よりヴィヴィッドな成長戦略も出てくるだろう。
 三木谷さんも、ここまで言っちゃったんだから、とっとと経団連なんて古臭い組織は止めて、21世紀経済戦略会議みたいなものを立ち上げてほしい。そこには企業のトップだけでなく、一家言あるうるさ方や、国際金融、国内金融のプロや、古賀茂明さんなんかもぜひ入れてほしい、そんな柔軟な組織を作って、今の古臭い日本をどんどん変えてほしい。

米倉会長「東電自体が被災者」

 経団連の米倉会長は、WSJのインタビューに答えて、「原発は収束に向けて東京電力が一生懸命に努力している。一進一退だが、かなりコントロール下に置けるようになってきているのではないか、とわれわれはみている。」「CO2を考えると、原子力が一番いいのではないかというように考えていた。やはり、国民の信頼を回復するにはかなり時間が必要だ。むしろ、原因を徹底的に解明して、安全性を確保して、原子力というものが必要だということを国民に訴え、経済性とCO2、あるいは安全ということをバランスのとれた形でやっていくべきだと思う。」「現在、9つほどの原発計画があると思うが、これについても(今の問題の)原因を解明し、安全性を計画に反映すれば、もっと安全な原発になるのではないか。」と、東電愛、原発愛を切々と訴えている。さらには、「東電も被災者」と発言。やっぱりずれている。詳しくは以下の通り。
WSJ:当局への不信が国民にみられる。東電の責任問題、情報公開問題はどうか?
米倉氏:一生懸命やっている。考えられていないが、東電自体が被災者だ。従業員が津波に流され、機器も津波に流されているところがある。そういったなかで一生懸命努力をしている。政府としては、東電が最大限努力しやすいような環境を作るべきだと思っている。いろいろ見ていると、政府の内部で考え方が食い違ったりしており、非常に憂慮している。
WSJ:東電は甘かった?
米倉氏:甘かったということは絶対にない。要するにあれは国の安全基準というのがあって、それに基づき設計されているはずだ。恐らく、それよりも何十倍の安全ファクターを入れてやっている。東電は全然、甘くはない。
http://jp.wsj.com/index.php/Japan/Companies/node_217459
 因みに経団連の副会長を出している、東芝三菱重工業、日立は世界的な原発メーカー、三菱商事はカナダ・豪州に、丸紅はカザフスタンにウラン権益も持っているし、海外原発輸出にも注力している。三菱東京UFJ銀行、第一生命、三井住友FGは東電株を山ほど持っている。米倉さんが東電愛を訴えるのも当たり前と言えば当たり前か。