李克強 中国のGDP統計は人為的

中国株を空売りする米有名投資家

 10年1月11日付のブログで「中国の経済発展は本当か」と書いた。エンロン粉飾決算を行っていると見抜き、巨額の空売りを仕掛け、巨額の利益を上げたジム・チェイノスが、「中国の国家統計局が伝えるGDP数値はまったく正しくなく、信じるに値しない」として、中国株を空売りしていることを紹介した。

李克強は中国GDPは人為的

 その中で「実質GDPの伸びほどには発電量は伸びていない。電力使用の90%が工業用と言われる中で、発電量の伸びがGDP以下の数値であるということは、ありえない。」と書いたが、全く同じことを言っている人間がもう一人いた。
 何を隠そう、一時期、次期国家主席と噂されていた李克強、その人である。遼寧省党委書記を務めていた2007年、彼は当時のクラーク・ラント駐中米国大使と食事した際に、中国のGDP統計は「人為的」であるため信頼できない、との見解を示していたことが「ウィキリークス」が暴露した米外交公電により、明らかになった。

電力消費量を見れば中国経済が分かる。

 李は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と言う。

中国のGDP算定方法

 中国は、各省政府が中央に報告したGDPを集計し、国全体のGDPを算出してきた。しかし、各省政府は成績をアピールするために平気で水増ししたGDPを中央に報告していると言う。逆にGDPが急成長した省の政府は、過剰な負担を中央政府から押し付けられては大変と考え、逆に過少申告していると言う。
 これに対して輸出額の増加を言う論者もいるかもしれない。輸出は相手のあることでごまかしがきかないと考えるからだ。しかし、例えば100万ドルでしか売れない商品を輸出して、150万ドル払ってもらっている中国企業が多いと聞く。この差額の50万ドルは中国人民元の上昇、資産価格の上昇を狙って、流れ込んでくるホットマネーである。