鉄鉱石価格は13%下がる

リオ・ティントと日本大手の価格交渉

 リオと日本の鉄鋼大手との価格交渉が、そのまま世界の鉄鉱石価格の標準となる。かつては、共存共栄だったが、新興国の工業化により売り手市場になったのと、寡占化が進んだため、リオ側の価格交渉力が強まっている。かつては1年ごとに価格が決められてきたのが、最近は4半期ごとに変わっている。日本の鉄鋼原料の9割を、リオ・ティント、ヴァーレ、BHPビリトンが占めている。このため、生産者側の価格交渉力のほうが圧倒的に強い。
 ただ、中国での鉄鋼需要が落ちたため、10−12月期は、7-9月期に比べて価格は13%低下した。しかし長期的に見れば、中国の輸入減は調整期に当たるだけで、今後は増えてくる。生産者側有利の力関係はしばらく変わらないだろう。

神鋼、低品質鉄鉱石の利用にめど

 不純物が多かったり、粉状の鉄鉱石は、安くても、これを使ったの製鉄は生産効率が低下するため、結局国際メジャーから良質の鉄鉱石を輸入することになる。しかし神戸製鋼は、不純物の多い鉄鉱石からアイアンナゲットという鉄鋼原料を生産することに成功、実用化すれば今後は低価格で原料を確保できることになるし、国際メジャーとの価格交渉力を強化できるかもしれない。
 なお新日鉄は粉状石炭を使っての製鉄に成功しそうだという。日本企業の更なる努力を期待したい。