下請け企業の資金調達に信託制度の活用

国土交通省のHPの建設業者の資金繰り支援をみると、信用保証協会による緊急支援制度のほかに、「元請業者が公共工事請負代金債権を譲渡担保に融資を受けられる仕組み」、「下請業者が元請業者に対して有する工事請負代金の受取手形をファクタリング会社が買い取る仕組み」が紹介してある。
しかし、下請業者にとって、ファクタリングの対象を手形だけではなく、請負工事代金債権そのものに広げてほしいところだ。というのも、最近は手形が発行されることが減少しているからだ。すでに電子手形制度も始まっているが、これも手形の利用が減少したことから、企業金融の便宜を目指してできた制度だ。しかし電子手形の普及はまだまだ。
 3月17日付日経新聞によると、信託方式を使って下請に支払う代金を分別管理する手法の導入を国交省が検討しているという。早期の実現を待ちたい。
 ところで、下請に請負代金を支払うために手形を発行する際にどういったことに注意したらいいか、ご存じだろうか。下請け法は3か月以内に請負代金を払わなければならないとしているが、その際現金でなく、手形でも良いとされている。ただ手形の返済期日は3か月以内であることが必要とされている。それを超すと金融機関が割引になかなか応じないからだ。したがって、支払いを延ばすのは3か月が限界となる。