アイフルADR成立

アイフルADR成立

アイフルとその子会社、ライフ、シティズ、マルトー(この会社はは金融業は行っていない)が、かねて事業再生ADR手続を行っていたが本日12月24日開催された第3回債権者会議において、事業再生計画案について、全金融機関から同意を得ることができ、事業再生ADR手続が成立した。

ゴールドマンサックスの債権は買い取り

 ADRによってリスケジュールが成立した債権者はグループで併せて65金融機関になる(各社で重複する金融機関有り)。
アイフル  49金融機関
ライフ   28金融機関
マルトー   1金融機関
シティズ   1金融機関
 当初66金融機関あったのが、65になっているので、米銀ゴールドマンサックスからの債権買取請求にアイフルが応じたのだろう。

今後の支払スケジュール

 今回のADR手続の対象となった債権額は連結で2791億円。内訳となると、アイフルが1952億円、ライフが839億円。ちなみにマルトー、シティズは、アイフルの借金を連帯保証しているだけで、自身の負債はないため上記総額には含まれていない。
 2010年9月30日に100億円、その後2014年まで、毎年6月10日に165億円ずつ支払うことになる。それでも全額返済には至らないため、2014年7月10日までに借換(リファイナンス)をするか、または同日以後の弁済方法につき、金融機関とさらなる合意を得る必要がある。
 ただ、2013年までに償還期限がくる社債が2866億円あり、こちらは手つかずだ。ADRは社債債権者には適用されないからだ。アイフルはADRにより、ブラックリスト入りしたため、借金はできない。この点は多重債務者と同じ状況だ。このため自己資金で社債の償還、過払金の返金、運転資金を捻出しなければならない状態が続くことになる。
 アイフルはADR成立により、足元での資金繰りはプラスになった。しかし、中長期で見れば、まだ不安要素を抱えているということだろう。

ADR成立の効果

 ADRは銀行債務をリスケする効果しかないから、社債権者、株主は影響を受けない。過払金債権者も同様だ。(10.3.2追加)