ワイド、トライト、TCM、パスキーの4社がネオライン傘下に

ワイドからの電話

 昨日8月24日、ワイドと電話で和解交渉していた。こっちの請求金額は1万7000円、相手が6割の1万円で和解案を提示してきた。最初5000円程度の提示だったが、額が小さいので、1万円でOKとのこと(普通は逆だが)。拒否すると、担当者いわく「いや、うちは今度親会社がネオラインさんになるんですよ。」と衝撃の一言。訴訟費用を勘案すれば1万円のほうが得なので、すぐに和解した。
 ワイドには最近、集団訴訟を起こしたばかりだったから、このニュースはショックだ。

今日の日経

 そうしたらさらにびっくり。今日25日付日経朝刊7面に、アイフル関連のベタ記事が出た。ちなみにベタ記事とは、新聞の下段の広告のすぐ上にある、数行程度にまとめられた記事のことだ。日経の読者レベルにはベタ記事で良いかもしれないが、こちらにとっては重大ニュースだ。記事は以下のとおり(全文)
アイフルは24日、子会社4社をネオラインキャピタル(東京・港)に9月末に譲渡すると発表した。4社向けの貸付金約482億円も約103億円で譲渡する。既に引当金を積んでいるが、今回の譲渡で約40億円の損失が発生する見込み。」
 譲渡されるのは、ネオラインのHPによると、ワイド、TCM、パスキー、トライトの4社だ。

ネオライン・キャピタルと言う会社

 ある週刊誌で同社のことを死肉を漁る「ハイエナ」と例えていたが、それはこういうことだ。例えばここに資産が貸付金のみの100億円、負債が過払金のみの150億円の会社があったとする。これだけ見ればこの会社は50億円の赤字だ。しかし、この貸付金の7割70億円を回収し、過払金を値切って2割の30億円だけ支払うことにすれば、40億円の黒字になる。要するにこの会社は赤字会社を買い取って、こういった手法で黒字化する。
 ワイド、トライト、TCM、パスキーのアイフルの4子会社はいずれも、ネオラインに移る前でさえ、減額主張してきた会社だ。同じくネオライン傘下になった三和ファイナンス=現SFコーポレーションと同じく1割和解を言ってくる可能性さえない訳ではない。
※ある週刊誌とはFACTAの10年2月号。金融関係の専門誌だ。同誌によれば、ネオラインの総帥藤澤氏は東大医学部保健学科を卒業後の01年に不動産金融会社のビィージャパンに入社。手腕を見込まれ05年7月、同社がライブドアに買収される頃には33%の株を保有するオーナー社長になっていたため、買収により数十億円が転がり込んだ。08年に自腹で大証2部のイッコー(現Jトラスト)の株を大量取得。ただ、ネオライングループ全社の株を自己資金で取得できた訳ではない。旧クレディア買収に233億円、クラヴィスサンライフに計94億円、ワイド等のアイフル子会社3社に103億円を投じている。Jトラストは、ロプロ買収に要した94億円を日本振興銀行から借りており、同グループのネクストジャパンHDも同行から93億円融資を受けている。このことから、他の買収資金も日本振興銀行から出ているのでは、というのがFACTAの見立てだ。日本振興銀行は破たんしたが、その影響はどうか。ネオラインは、既に独り立ちし、武富士買収も狙っている。また西京銀行も傘下にある。影響はないのかもしれない。

残る子会社シティーズ、ライフは

 これまでのネオラインの動きを見ると、ネオラインは生きている会社を買うことはない。だから同じくアイフルの子会社でもライフは買わないだろう。ライフはアイフルにとって虎の子的存在。そう簡単には売らないだろうし、売るなら、相当な値をつけるはずだ。ではシティーズはどうか。ならばアイフルの子会社で、09年3月に廃業したシティーズはどうか。同社は訴訟対応について、かなりのスキルを持った会社だ。今後過払金返還は訴訟化の大波に移っていく。自前で支配人を養成し、訴訟部門を強化したいアイフルにとっては、まだ売却はしないかもしれない。