次世代道路交通システム

報道から

 高速道路のアンテナ網と、走行する自動車が双方向で通信して渋滞や事故を避ける次世代道路交通システムが、年内にも稼働する見通しになった。この秋から国土交通省は全国の高速道路に通信アンテナを設置し、トヨタ自動車も高級車「レクサス」に情報を送受信する専用の車載器を搭載する。従来型カーナビに比べ、広範囲のきめ細かい渋滞回避が可能なほか、合流車接近の危険もリアルタイムで警告できる。新システムの実用化で自動車の情報化は新たな段階に入る。
 現在のカーナビは衛星からの位置情報に加え、道路側からも一方通行の形で渋滞情報などを得ている。次世代システムは道路側と情報を双方向でやりとりし、容量も大きいため、長いトンネル内や、その先の道路の静止画像も表示できる。 (NIKKEI NET 09.8.20 07:00)

こういうところには必ず役所の利権がからむ

 この次世代道路交通システムは高度甲道路交通システム(ITS)と呼ばれている。国交省の官僚は、ETC利権で味をしめたが、今度はITS利権でさらに肥え太ろうとしているのだ。このITSには、道路新産業開発機構、国土技術研究センター、道路システム高度化推進機構道路新産業開発機構道路交通情報通信システムセンターという多くの財団法人が群がっている。なんでこんな同じような財団法人がいくつもあるのか。聞くだけ愚問だろう。

本当に役立つシステムなのか

 渋滞情報が精密化するというメリットはあるらしい。さらに施設へのITS普及が進めば、駐車場代、ガソリン代決済ができるとか、道の駅の情報、観光情報がこの車載ITSシステムから得られるというのが、こうした情報にどれだけのニーズがあるのか。ニーズがあったとしても国家予算を何千億円使うべきものなのか。
 衝突防止にも役立つという。A車、B車がITSを搭載。道路脇のアンテナがA車、B車の位置を確認し、危険を伝えるというが、これは全車両にITSが搭載されていないと意味のないサービスではなかろうか。

政官財の利権構造の産物

まずは高速道路に設置するだろうが、そのうち一般道路に広がれば、その利権は膨大なものになる。こうしたシステムを歓迎するのは、官僚だけではない、電子部品等の関連産業も大賛成だ。政官財の利権構造がこのITSを進めている。