中国個人消費の今後

物価指数マイナス

 中国経済はこれまで外需依存だったが、中国政府も内需転換を目指している。しかし中国国家統計局によると、6月の消費者物価指数は前年同月に比べ、1.7%下落し、5か月連続のマイナスになっている。下落率も前月の1.4%より拡大となった。

消費二極化

 消費傾向も二極化している。政府の、車の買換補助策で新車販売は4カ月連続で100万台を突破し、家電下放政策で農村部での家電販売も好調だが、その他の衣料・サービスといった部門は値引きで売り上げが落ちている。
 実際北京の外資系スーパーの幹部によると、「4−6月期は前年実績割れ」、国内百貨店大手幹部も「安値競争で数量は出ているが、消費者の反応は鈍い」という(日経09.7.17)
 天津市では五つ星ホテルが軒並み6割値引きに踏み切り、上海の五つ星ホテルは1-5月の稼働率は42%に落ち、ここでも値引きがあるようだ(日経09.8.2)。

労働分配率も低下か

 中国でも設備と雇用の過剰が相当なものになっているのだろう。広東省は、同省の輸出が今年上半期、前年同期比18.6%減。最低賃金の引き上げを当分見送る方針を決めたという。広東省は中国国内の賃金相場のリード役で、他地域でも同様の動きが広がるのは確実だ(日経09.7.17) 
 デフレ懸念が次第に現実化しつつあり、今後のデフレスパイラルが心配される。

追記

 中国国家発展改革委員会は7日、11年までに一人当たりのGDPを3800ドルに引き上げる目標を明らかにした。ちなみに08年の一人当たりGDPは3266ドルであり、3年間で16%上げる計算だ。(日経09.9.8)