小沢一郎の公設第一秘書の大久保隆規さんは無罪だ

大久保隆規秘書を起訴

 東京地検特捜部は09年3月24日、虚偽の記載を政治資金収支報告書にするなどしたとして、同法違反の罪で、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者と、西松前社長国沢幹雄容疑者を起訴した。

本当にこれが虚偽記載か?

 虚偽記載とあるがどこが虚偽なのか。起訴状には、実際には西松から3500万円の献金を受領したのに、西松のダミーの政治団体新政治問題研究会(新政研)と未来産業研究会(未来研)から受けた、とする政治資金収支報告書に記載したの虚偽だという。
 確かに、新政研も、未来研も西松のダミーかもしれない。しかしそういう名称の団体が実際にある以上、収支報告書にはその名前を書かざるを得ない。もしこれが虚偽記載というなら「西松建設」と記載すべきだったのか。それはそれで虚偽になる。
 刑事裁判では、類推解釈は禁止されている。これは憲法上の大原則だ。「確かに法律には●●をした者を罰するとあり、▲▲をした者を罰するとは書かれていない。しかし▲▲を罰則の対象外とすると、●●を処罰した趣旨が没却されるので、▲▲も同法違反として処罰すべきだ」というのが、類推解釈だ。検察の起訴はまさに類推解釈そのものではないか。

むしろ企業献金勧誘罪で起訴すべき

 だから、大久保秘書が、両団体が西松建設のダミーだということを知っていようと、虚偽記載罪は成立しない。しかし、企業献金を要求したことの罪は成立する。
 政治資金法21条3項は「何人も、会社、、に対して、政治活動に関する寄附をすることを勧誘し、又は要求してはならない。」とあり、同法26条2項は、21条3項に違反して寄附をすることを勧誘又は要求した者は、1年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処する、としている。虚偽記載罪なんかより、大久保秘書の行為はこちらのほうに該当する可能性が高い。
 だったらなぜ東京地検は、政治献金を勧誘したことではなく、虚偽記載罪で起訴したのか。それは虚偽記載罪が5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金と、非常に重い罪だからである。その点、勧誘罪は禁固1年以下、50万円以下の罰金に過ぎない。両者では刑の重さがまったく違う。刑法で法定刑1年以下の罪となると最も軽い方の罪に属する。信書開封罪(他人の手紙の封筒を開けた罪)は1年以下の懲役だが、懲役は禁固より重いとされているから、企業献金勧誘罪は信書開封罪より軽いのだ。たかが1年以下の禁固にしかならない、信書開封罪並の罪を、東京地検特捜部が起訴することなど、通常ありえない。だからこそ政治的意図があるのではと勘繰られるのだ。

小沢一郎へのアドバイス

 検察の国策捜査であろうとなかろうと、小沢一郎にはダーティーなイメージがついてしまった。このイメージを変えるには名前を変えるのが一番いい。芸能界ではよくあるやり方だ。小沢一郎ではなく、思い切って「イチロー」に名前を変えたらどうだ。
 侍ジャパンを優勝に導いたイチローの決勝打のイメージが、小沢イチローさんの人気を回復させるのではないか。ぜひ採用してほしいアイデアだ。