町田市病院の院内感染 こんなことで新型インフルエンザ対策は大丈夫?

町田市の病因でのインフルエンザ院内感染

町田市の「鶴川サナトリウム病院」、入院患者77人と病院職員24人の計101人が相次いでインフルエンザにかかり、女性患者3人が死亡、男性患者1人が重症という事件。同病院の入院患者は448人、平均年齢は83歳、認知症患者が大多数だった。

院内感染についてのマニュアルはあったのか、職員等に徹底されていたのか。

改正医療法が、07年4月より施行され、医療法第6条の10により院内感染対策のための体制整備が義務づけられている。
 会社にはコンプライアンスが求められるが、病院においてコンプライアンスに相当するものの一つが院内感染予防対策マニュアルだ。この病院も当然こうしたマニュアルは備えていると思うが、それが職員に周知徹底されていたかが問題になる。
 東京と作成のマニュアルだと、日常的には手洗い等の励行が言われているが、インフルエンザ発生時には、特に以下の措置を行うことを定めている。
1. ベッド間を1メートルあける
2. スタッフのマスク着用
3. 室内の湿度調整
4. 感染症流行期には有症状の面会人の制限

病院に対して遺族の損害賠償は認められるか。

 こうした訴訟では、院内感染対策マニュアルがあったか、その内容が妥当だったか、それが実施されていたか、感染対策の不備が患者の死亡に結び付いたのか(因果関係)が論点になる。この病院はこうした処置が不十分だったようだ。病院は7日に集団感染を報告したが、この時点では職員2人と、患者4人が発症した程度だった。この時点で院内感染防止対策を適切に行っていたら、ここまで流行することはなかった。

記者会見での院長のマスク姿

 記者会見で院長がマスクをつけていたが、これは院長がインフルエンザにかかっているということではない。院内感染対策として、インフルエンザに感染していなくても、感染しないようにマスクをつけているのだ。ただ、この病院では流行発生後も一部職員はマスクもせず、病棟内を移動していたという。

新型インフルエンザ

 こんなことでは新型インフルエンザが流行した場合どうなるかと心配だ。今のうちから院内感染対策を十分に行ってほしい。
新型インフルエンザ、鳥インフルエンザについては私のこちらのブログもご参照ください。
 ワクチン備蓄が2500万人分、タミフル備蓄が2000万人しかない
 http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090111/1231689298
 ダチョウの卵を使えば半年で1億2000万人分のワクチン製造が可能
 http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20081222/1229938162