地産地消というライフスタイル

地産地消とは

地産地消とは、地元で生産された食材を地元で消費するという意味である。地産地消には、地元農業の振興というメリットと、二酸化炭素排出抑制というメリットがある。

地元農業の振興等のメリット

地元の農家と消費者が直接つながることによって、「生産者の顔が見える」関係が築かれる。このような関係ができることによって、消費者も地元農産物への関心も知識も深まり、生産者も品質の改善に努めることになり、食の安全にもつながってくる。
スーパーに卸すための画一的な品種の生産だけでなく、地の野菜の生産、流通も可能になってくるため、食も豊かになる。
これまで規格外として流通に乗らなかった野菜、果実類も、地元の小規模な流通経路であれば、流通に回すことが可能になる。
また販売価格に転嫁される輸送コストも低減される。
こうしたことが、地場農産物の消費を拡大し、ひいては地元の農業の経営を助け、高齢者による小規模農業も継続が可能になり、農地の荒廃を防ぐことにもなる。

二酸化炭素排出量の減少

今食卓にある野菜には、国内の遠隔地から来たものばかりでなく、海外から来たものもある。こうした野菜の運搬手段が、トラックであり、船であり、飛行機であり、その運送過程で多大な二酸化炭素が発生されしている。こういった運送過程が短縮されることで、二酸化炭素の排出は大幅に削減されることになるのである。

ライフスタイルとしての地産地消

スーパーに行けば、季節にかかわりなく、カボチャがあり、大根があり、菜っ葉がある。本来野菜ひとつ、ひとつには季節があるはずであるのに、季節感が完全に失われている。これを便利と感じるか、異常と感じるか。地産地消が身近になってくれば、食卓に季節感が戻ってくる。今は当たり前の食生活もきわめて不自然なものと感じてくるようになるのではないか。地産地消はライフスタイルを考え直す一つのきっかけになるかもしれない。

地産地消をどうすれば実現できるか

地産地消を実現するにはいろいろなやりかたがある。
直売所
直売所は農協が運営していることが多いが、第3セクターだったり、有志だったり様々だ。かつては直売所と言うとだいたい粗末な作りのところがおおかったが、最近はきれいな建物でやるところも多く、中にはレストランも併設したりして、テレビで取り上げられるところも多い。
量販店等
スーパーの中にも販売コーナーを設置しての地場農産物の販売が行われている。量販店自体の企画で行っているところもあるし、地元農協がテナントとして出店しているところもある。
学校給食
文科省は、食育推進基本計画で、給食の地産地消使用を08年度までに30%とする目標を立てている。07年度で、目標達成は14県、全体の使用率は23%だった。ここ3年ほど達成率はほとんど横ばいとなっており、地元農協とより積極的に提携関係を深めていく必要があるだろう。
ローソン
ローソンは03年の和歌山県を皮切りに、現在では21の地方自治体と協定を結び、地元の特産品を地元周辺の店舗で販売する地産地消を進めている。

緑ちょうちん

赤ちょうちん」ならぬ「緑ちょうちん」が居酒屋などの店先にともり始めている。国産食材をカロリーベースで50%以上使っている店が掲げ、利用率が50%で星印が1つ、10%アップするごとに星が増える。千代田区大手町JAビルの居酒屋「道草」の緑ちょうちんには90%を示す5つの星印がついている。店では練馬大根の風呂ふきや千住ネギの焼きネギといった東京近郊産の江戸野菜を使ったメニューが人気だ。
緑ちょうちんは、中央農業総合研究センター所長の丸山清明さんが食糧自給率が40%程度に過ぎない日本農業の現状を懸念し、考案したものだ。平成17年4月、北海道小樽市の居酒屋が第1号で明かりをともして以来、農産物直売所などを含めると約100店になった。
参加店の一覧はホームページ(http://www.midori−chouchin.jp/index.html)