創業塾

政府は14年夏に、起業を目指す人たちにノウハウを提供し、起業後もサポートする創業塾を再開する方針。3か月ほどかけて12回程度の講義を、1人1万円で提供する。実施主体は日本商工会議所及び各地商工会議所、全国商工会連合会及び都道府県商工会連合会で、中小企業庁補助事業となる。
日経夕刊13.10.16
かつて起業対策として、平成14年から行われていた創業塾だが、平成19年度で廃止された。新たに復活する創業塾の詳細は不明だが、おそらくは従前のものとそう変わりはないはずだ。
かつての創業塾では、中小企業診断士、公的金融機関職員、経営コンサルタント、創業体験者らが、独立・開業にあたっての心構え、ビジネスプラン作成のポイント、税務・法務などを講義。創業に必要な実践的内容のものであり、アンケート結果を見ても「大いに役に立った」が35.8%、「役に立った」が55.6%と、受講者の満足度は高かった。創業塾受講後も、商工会議所から、サポートを受けられた。国の事業にはもっと無駄なものがあり、当時の政権がこれを廃止したのは合点がいかなかった。
上記報道によると、創業塾の仕組みに加えて、民間ノウハウを活用した支援事業のプランを市町村が策定、政府の認定を受ければ、創業者らに補助金が交付され、高い成長を期待できる事業には税優遇も検討するという。
講義は、平日夜または土日を中心に行われ、起業を目指す人一般を対象とするが、これと並行して、女性や退職シニア層らに特化した塾も設けるとのことだ。前回は女性向けに特化したものはあっても、シニア向けに特化したものはなかった。やはり高齢化社会が進む中、高齢者も生産世代として残ってほしいと言う国の思惑があってのことだろう。団塊の世代の大量退職という社会環境もある。
「創業塾に参加してどのようなことが役立ちましたか」との問いに対して、参加者は次のように回答している。

  1. 事業計画の立て方  58.8%
  2. 創業に対しての心構え  52.1%
  3. 創業者の体験談  36.5%
  4. 他の受講生との人的ネットワークができた  34.2%
  5. 商工会等とのつながりができた  29.5%
  6. 事業計画に対する評価・助言  24.3%
  7. 具体的な資金調達の仕方 22.4%
  8. マーケティング知識 16.4%
  9. 会社設立手続 16.3%
  10. 国・県などの助成内容  15.2%
  11. 会計・財務知識  14.7%
  12. 販売方法・宣伝方法  14.6%
  13. 講師とのつながりができた  14.6%
  14. 税務法務知識  11.1%