経営改善計画 支援機関による策定進む

2013年3月にスタートした「経営改善計画策定支援事業」。6月末までに全国の窓口に寄せられた相談は約2300件、計画申請は170件を超え、うち145件が支援決定に至った。
http://j-net21.smrj.go.jp/watch/news_tyus/entry/20130712-11.html
この制度は中小企業金融円滑化法終了後の中小企業支援の「目玉施策」の一つ。12年度補正予算で405億円が措置され、現在も執行中である。弁護士、税理士等のうち、一定のスキルを持つ専門家を国が「経営革新等支援機関」と認定。同支援機関が、中小企業の経営改善計画作成を支援。作成費用として1社当たり200万円を上限に助成する。
急ごしらえの制度のため、当初は経営支援機関でさえ、どこまでが助成対象になるのかが判断に困る状況であり、かつ、スタート時が金融機関の年度末に重なったこともあって、当初の利用は低迷。4月末時点で計画申請は29件、支援決定実績もわずか10件にとどまっていた。その後Q&Aも整備され、利用も徐々に上向いてきた。改善計画策定には、法律、税務、事業計画等の複数の要素がからむため、その場合の協力体制のありようも不明確だったが、7月にはQ&Aが改定され、それぞれの専門家たる弁護士、税理士、中小企業診断士がチームを組むことも可能なこととなった。
(評)
この制度、鳴り物入りで始まった割には、利用が極めて低調だ。制度の存在自体が知られていないこともあるが、もう一つには、金融庁の姿勢も一因となっている。
金融庁は円滑化法終了後も、以下の方針で、金融機関の検査・監督に臨むとしており、金融機関による支払い猶予の取り消しといった事態に発展していないためだ。
・金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきことは、円滑化法の期限到来後も変わらない
貸し渋り貸し剥がしの発生や倒産の増加といった事態が生じないよう、引き続き、金融機関に対し、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるよう促す。
・金融機関の顧客への対応方針が変わらないことを、各金融機関から個々の借り手に説明するよう促す。
[2013年7月12日]