動産担保融資、日銀、低利融資制度で支援

日銀の新低利融資制度

 日銀が6月13日から14日にかけて開いた金融政策決定会合では、昨秋始めた成長基盤支援の貸し出し制度の一環として、動産担保融資や投資を促進するため総額5000億円の新たな低利融資制度を打ち出した。
 日本の金融機関は、不動産担保に偏重し、売掛金や在庫商品等しか持たない企業には十分な融資が行なってこなかった。
今回の日銀の低利融資制度が、ベンチャー企業が育つような金融風土を作っていくきっかけとなることが期待される。

米国では動産担融資市場規模が44兆円

 西村清彦副総裁は昨年12月の講演で、日本の金融機関に目利きのバンカーが減っていると指摘し、打開策として動産担保融資の普及を提唱した。副総裁は、米国の動産担保市場規模44兆円に対して日本は2008年度で4400億円にとどまっているとし、中小企業が保有する売掛債権が60兆円を超え、在庫商品が40兆円以上に達していることを考慮すると、動産担保融資が拡大するポテンシャルは大きいと強調した。

銀行に期待される役割

 銀行は社会の公器である。本当に必要なところに、お金が回るようにし、そのことで経済が発展するようにする。そのために銀行はある。ところが、銀行は不動産を多く抱えている企業には融資するが、世界的な技術やビジネスモデルを持っている企業には、不動産がないという理由で融資していない。はっきり言って手抜きなのである。仮に融資が焦げ付いても、担保となる不動産をとったからと言えば、融資担当者の経歴に傷は付かない。そうした保身的理由から、動産担保融資は育ってこなかった。
 日銀は旗を振っても、銀行が踊らなければ、舞台は回らない。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21698620110614