中国当局、銀行に融資先が目的外使用していないか監視するよう指示

中国当局が指針

 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は7月30日、企業の運転資金向けの銀行融資に対する監視を強化する方針を示した。「融資するときは、融資金を何に使うかきちんと聞いて、それ以外の用途に使わないよう約束させ、融資後も本当にその使途に融資金を使っているかを確かめろ。」ということで、「もし融資先がその後信用が悪化したり、申告したのと別の用途に利用したら、今後の融資を差し止めよということだ。」とも指示するという。もっともまだ、銀監会のウェブサイトに掲載されただけで、まだ草案の段階だという。

こんなのやって当たり前の話

 しかし、こんなの監視の強化ではなく、当たり前のことを当たり前にやれというに等しい。「今までこんなこともやっていなかったの」という驚きの方が先に来る。日本の銀行だったら、設備投資目的の融資ということであれば、見積書を出させ、その後も領収証をチェックする。毎年決算書をチェックして目的外使用がないかを確かめ、もしそういう事実があれば、今度の融資を差し止め、悪質な場合は融資を引き揚げることになる。運転資金も同様、その後の決算を見て、不動産や株式が増えていれば、その購入資金がどこから出たものか=融資金から払ったものではないのかを問いただすことになる。

民間融資拡大で資産バブルの危険

 以前のブログにも書いたが、中国では、今年に入り銀行融資が急増、融資残高が100兆円相当も増えた。銀行融資の一部が(というかかなりの部分が)株式市場や不動産市場に流れ、資産バブルを引き起こしていると言われている。

追記

 中国国家発展委員会が10日発表した7月の主要70都市の不動産価格は前年同月比に比べ1.0%上昇した。リーマンショック以降、不動産下落が見られたが、その後急騰、リーマンショック前の地価を回復した。
 価格の高騰は不動産販売量の急増だ。北京では年初来7月までの販売床面積が前年同月の2.21倍にまで増えている。
(日経09.8.11)