麻生さん 定額給付金は受け取らない、受け取る意思はない、と発言

ありえない

 昨日4日になって分かったことだが、麻生さん、2日の自民党役員会で、笹川堯総務会長らが「給付金を受け取るかどうかはっきりさせた方が良い」と求めたのに対し、首相は「受け取る気はない。受け取る意思はない」と答えたという。
 みんな開いた口がふさがらなかったらしい。

12月15日のときは「さもしい」発言

 そもそも首相は08年12月15日の参院決算委員会で「多額の金をもらってる方が『1万2000円ちょうだい』というのはさもしい。人間の矜持(きょうじ)の問題だ」と言っていた。

1月8日には「さもしい」発言撤回

 さもしい発言がぐらいたのは1月6日の細田幹事長発言がきっかけだ。細田幹事長は「景気対策なのだから、国会議員ももらって使うべきだ」と主張、政府の統一見解を出すように求めた(1月6日付ブログhttp://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090106/1231220365)。
 8日の予算委で、民主党のトップバッターとして菅直人が「さもしいとは、どういう意味か」と質問すると、麻生さんは「目先のことにガツガツするイメージがある」と答える。麻生さんは、当時さもしい発言を事実上撤回していたが、その理由について「あの時は生活給付金の色合いが強かったので、そう答えた。今は生活給付と消費(景気)刺激の二つの必要性が出てきた。高額所得者はもらった以上に盛大に消費してもらいたい」と釈明。菅直人はどうして、わずか20日ほどで情勢が変化するのか、と追及していた。
 菅直人は、定額給付金が支給されたときに受け取るかを質問すると、「そのときになって考えたい。」と発言。明言を避けた。

混乱の経緯

 定額給付金の案が出た当初は、低所得者層に対する生活支援ということだった。しかし、すったもんだした挙句、結局所得制限は撤廃することに。そうなると、高所得者にまでばらまくことに批判が集中。すると、麻生さん、所得制限をなくしても高所得者は、事実上受け取らないだろうということで、さきの「さもしい」発言が出たのである。
 高額所得者にも配るとなると、定額給付金を「生活支援のため」とは言えなくなる。そのため、定額給付金は生活支援ではなく消費刺激策というように、趣旨が塗り替えられた。

「受け取らない」麻生発言のびっくり

 菅直人から、給付金が出たら受け取るかと聞かれ、麻生さんは「そのときになって考えたい。」と明言を避けたが、「麻生さんも、自分の置かれている立場からすれば『当然受け取って、消費に回したい』と言わなければならないのは、分かっているだろう。でもプライドが邪魔して、言えなかったのだろう」くらいに、周りの人間は受け取っていた。野党もそう思っていたに違いない。
 ところが麻生さんは「受け取る意思はない」との発言そしたというのだ。公の立場と、自分のプライドを天秤にかけて、プライドをとったのが今回の発言につながったのだろう。