欧州景気の牽引役スペイン 失業率13.91% 

スペイン失業率13.91%

 スペイン統計局が発表した2008年第4・四半期の同国失業率は13.91%と、予想を大幅に上回り、9年ぶりの高水準に達した。また、欧州連合(EU)平均失業率のほぼ2倍となった。特に建設分野での失業が目立っている(スペイン放送局TVEより)。

スペインは欧州のセメントの半分を消費していた

 去年の10月7日のブログで、英国、スペイン、中国が経済危機に陥るのでは書いた。英国では09年1月21日付ブログで書いたように金融・不動産業の業績が悪化し英ポンドの通貨危機さえささやかれているし、中国では09年1月22日付ブログで書いたように中国政府が絶対達成するとしていた第4四半期GDP成長率マイナス6.8%と、8%を大きく下回ってしまった。そしてついにスペインである。
 http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20081007/1223357735
 以下、10月7日付ブログから、スペインについて書いた部分を抜粋する(デスマス調とデアル調が混ざっているが原文ママ)。
 05年、スペインは年間80万軒もの住宅を建築しているが、これはドイツ、フランス、イギリスのそれの合計を超えている。これは実需というより、不動産投機であり、その結果1400万戸の住居のうち300万戸が空き家となっている。
 こうした不動産投機の結果、住宅価格は2001年から2004年の間に、89%も上がった(その間給料は14%しか上がっていない)。ちなみに住宅価格は1998年から2005年の間に150%上がっている。
 同国の銀行の貸出債権の半分以上が不動産関連、欧州のセメントの半分以上がスペインで使われていると言われています。
 個人の負債も欧州の他の国が8%しか増えていないのに、スペインでは25%も増えている。
 08年になって、スペインの不動産バブルも崩壊、同国経済は昨年までの4%近い成長からほぼゼロ成長に減速。スペイン政府は8月14日、臨時閣議を開き、特別融資枠の設定や税還付、公共工事の増加を柱とする総額6兆円強の景気対策を決めました。
**スペイン経済が破たんした場合次に何が来る
 スペイン経済は外資導入で建設ラッシュが進んでおり、不動産ローンの焦げ付き、スペインの銀行に融資していた外資の損失、といった形に危機が広がっていくのは当然だが、さらにルーマニアに飛び火するのではないか。ルーマニア語スペイン語は、同じラテン語系の言語のため言葉がかなり近い。そのため、ルーマニアからスペインに労働者が大挙して押し寄せ、その仕送りがルーマニアの景気を支えてきた。おそらく、建設労働に従事することが多かったのではないか。となるとルーマニア景気も低下しないだろうか。ルーマニアはまだユーロを導入できていないが、通貨危機は大丈夫だろうか。
また、去年のテレビで見たが、ルーマニアでもマンションが億単位で売られており、それを融資しているのはルーマニアの銀行だそうだが、ルーマニアの銀行に融資しているのは米国の銀行だという。
※中国の不況について
http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090122/1232612157
※英国の不況について
http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090121/1232534227