2市1村が再生基準超=警告は40市町村−自治体の07年度決算・総務省まとめ

自治体財政健全化法(正式には「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」)が今年4月から一部施行されているが、総務省は、30日、これに基づき全自治体の07年度の財政の健全性を示す4指標を発表した。
指標となるのは次の4つで、数値が大きいほど財政が悪化し、四指標のうち一つでも基準を超えると早期健全化団体、財政再建団体になる。()内の%は前者が早期健全化基準、後者は財政再建比率です。
① 実質赤字率:一般会計などに占める赤字割合(12.98%/20%)
② 連結実質赤字率:一般会計のほか、病院や水道の公営企業会計を加えた赤字割合(17.98%/40%)
③ 実質公債費比率:収入に対する借金返済額の比率(25%/35%)
④ 将来負担比率:第三セクターや公社を含めた負担割合(350%/基準なし)

07年度はまだ算定と公表が義務付けられているだけですが、今年度決算(今年4月1日から来年3月末までの分です)からは、早期健全化基準を上回った自治体は、財政健全化計画を定め、その後も毎年度、健全化計画の実施状況を議会へ報告し、公表しなければならなくなります。
そして財政再生基準を上回った自治体は総務大臣の同意がないと、災害復旧事業等を除き、地方債を発行できなくなります。地方債を発行できないということは、借金をできないということで、赤字決算は一切許されなくなります。ですから現在赤字会計の場合、是が非でも黒字にしなければなりません。公務員も削減し、公立病院も閉鎖し、ゴミの収集回数を減らし、保育園料を値上げし、自治体独自で行っている福祉を廃し、ということが必要になってくるのです。

例えて言えば、早期健全化基準を超えればイエローカード、財政再生基準を超えればレッドカードといったところでしょう。

1857自治体のうち北海道夕張市、同赤平市、長野県王滝村の2市1村が財政再生基準を上回ってしまいました。夕張市は箱物を作りすぎたせいですが、王滝村もスキー場経営が挫折したためです。赤平市夕張市と同様、かつて炭鉱で栄えた町ですが「市立赤平総合病院」の不良債務と国民健康保険事業による累積赤字が破たんの原因となっています。

早期健全化基準を達成できなかった40自治体には、和歌山県和歌山市大阪府守口市兵庫県淡路市という、比較的財政規模の大きい自治体も含まれています。