世界的金融機関に自己資本上乗せ1〜2.5%

バーゼル委 コアティア上載せ基準1〜2.5%

 バーゼル銀行監督委員会は、6月25日、国際的に事業展開する大手金融機関に対し、「「中核的自己資本(コアティア1)」の比率をさらに1.0〜2.5%上乗せするよう求めることで合意したと発表した。日本では三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクが対象になる可能性がある。

バーゼル

 なお、バーゼル銀行監督委員会は、すでに、国際的に事業展開する大手金融機関に対し、配当を増減できる「普通株」と、利益を積み上げた「内部留保」を中心にした質の高い資本である「Core Tier1=コアティア1」が最低でも7%に達するよう求めることを決めている。バーゼル3の要求する普通株等の最低所要水準は4.5%だが、将来のストレス期に耐え得るように2.5%の資本保全バッファーの保有が求められているため、4.5%+2.5%=7%が必要となる。
 資本保全バッファーは、最低所要自己資本比率と異なり、これを下まわっても早期是正措置は求められないが、下回ったその程度に応じて配当、役員報酬などが規制されるため「実質的な強制力」がある。
 13年初に、Core Tier1は3.5%からスタートし、2015年初までに上記比率に到達する必要(総資本は当初から8%)がある。資本保全バッファーは16年初から段階的に導入され、19年に上記比率に到達する必要がある。

日本のメガバンク

 日本のメガバンクは、不良債権の処理費用をコアティア1に含まれない優先株(配当率が固定されていると配当率を減らすことができない)の発行などで調達してきたため、海外銀行に比べて比率が低くなっている。
 自己資本比率が低いみずほの今後の動きどうなるか、こうした規制が、貸し渋り等を来さないか、欧州危機の影響で見直し等がありうるのか等、今後注視される。
参考:asahi.com「世界的金融機関に自己資本上乗せを要請 バーゼル委」2011年6月26日2時42分
http://www.asahi.com/business/update/0626/TKY201106250597.html