日本振興銀行 一部業務停止の可能性

日経の報道

 今日(2010.5.27)の日経朝刊によると、金融庁日本振興銀行を一部業務(新規融資)を停止にする方向で最終調整をしているようだ。

何が問題なのか

 同銀行はSFCGから債権を買い取っているが、他方でSFCGに買い戻させている。金融庁はそこを捉えて「同社の貸付債権を担保にした貸付」と解釈しているらしい。
 同銀行は、SFCGに債権を買い戻させる際、同貸付金の回収代行料として高額の報酬を得ている。この報酬を出資法上のみなし利息とすれば、出資法違反の金利を得ていることになるというのが処分の理由らしい。もっとも同銀行は金銭消費貸借契約ではなく、売買契約だと主張している。
 金融庁日本振興銀行に対する立ち入り調査は10カ月間と言う異例の長期間。金融庁日本振興銀行の非協力的な態度が調査を長期化させたとも見ているらしく、検査妨害・忌避行為を別件逮捕的に利用するかもしれない。

SFCGが日本振興銀行に過払金請求をするかも

 もし、この金融庁の判断が認められるとなると、SFCGが同行に対して膨大な過払金を請求できることになる。破産管財人としても、日本振興銀行から過払金を取れるとなると、管財人報酬も莫大なものとなる。ひょっとすると配当も増えるかもしれない。

木村剛の退任

 実は、日本振興銀行は10年3月期決算(単体)の最終損益が51億円の赤字になり、その責任を取って、木村剛会長が10日付で退任している。
 木村氏は日銀出身。02年に金融庁顧問となり、竹中平蔵と組んで、「金融再生プログラム」の策定にかかわった。その縁で、金融庁に強力なコネを作り、振興銀を創設した。4年以内に黒字化という目標を提示し、それが達成できないとなると、大株主の木村剛が当時の経営陣を退任させ、自分がトップに座った。彼がやった起死回生策が、この商工ローンからの買い取りビジネスだった。それが功を奏し、一転黒字となったのだが、そのボロが出たというところだろう。

日本振興銀行の今

 日本振興銀行は全国に125店舗を展開。3月末時点の預金残高は6000億円、貸出残高は4200億円。ちなみに定期預金は普通預金と併せて1000万円以内なら、ペイオフの対象となる。複数の支店に分けていても、当該銀行の各支店の預金額が合算されて1000万円を超える部分はペイオフ対象外となる。